クルマのアンテナ、大きく進化 手で伸ばした時代から埋込式へ 今後はボディがアンテナに?

公開 : 2019.09.27 11:49

あまりクルマに興味のない人なら見過ごしているかもしれない「アンテナ」。じつは時代によって、進化していることがわかりました。今後の予想。懐かしい(?)バブルのお話も。

もくじ

クルマのアンテナ、進化している
ご存知? ロッドアンテナ ただ欠点も
いまや主流はコンパクトポールアンテナ
ドルフィン/シャークフィンに 今後は?
番外編:バブル象徴? ブーメランアンテナ

クルマのアンテナ、進化している

text:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

ほとんどの人は、カーオーディオでラジオ番組や音楽を聞きながらドライブしているのではないだろうか。

クルマにラジオが装着されるようになったのは、1930年代のアメリカ車からだった。国産車で最初にラジオを装着したのは、1955年に発売された初代トヨペット・クラウン。

ロッドアンテナ
ロッドアンテナ

車内でラジオを受信する場合、AMでもFMでもアンテナが必要になる(FMが普及するのは、1970年代の話になるけれど)。

この頃のクルマ用アンテナは、いわゆる「ロッドアンテナ」。ロッド(rod)とは英語で棒や竿という意味で、その名のとおり金属製の棒を手動で伸ばしていくアンテナだ。

車種によるが、ロッドアンテナは前後のフェンダーの上か、ルーフ前端に装着されていた。

ルーフ前端のアンテナはフロントウインドウを開ければ運転中でも伸縮できるのだが、前後フェンダーのアンテナはクルマに乗り込む前に引き出さなければならない。

また、うっかり伸ばしっぱなしで屋内駐車場など高さ制限のある場所に入ってしまうと、アンテナを引っかけて曲げてしまったり折れてしまったり……なんてトラブルも少なくなかった。

そこで1970年代ごろから登場したのが、オートアンテナだった。

ご存知? ロッドアンテナ ただ欠点も

オートアンテナは、ラジオの電源と連動して、アンテナが自動で伸縮してくれる。

オートアンテナの登場当初は「全部伸びる」か「全部縮む」だったのだが、マニュアルで途中の高さで止められるものも登場する。これでラジオを聴いたまま高さ制限のある場所にも入っていけるようになった。

「てんとう虫」ことスバル360。
「てんとう虫」ことスバル360。

だが、ロッドアンテナを伸ばしたままで高速走行を続けていると、アンテナが微妙にしなっていしまう。そのため、オートアンテナが伸びにくくなったり、逆に縮まらない…なんてトラブルもあったりした。

ところが、こんなロッドアンテナ全盛の時代(いや、それ以前か)の1958年に発売された「てんとう虫」ことスバル360は、カーラジオをオプション設定していた。

ではアンテナは……というと、なんとFRP製のルーフの内部に渦巻き式のアンテナが内蔵されていたのだ。

いまや主流はコンパクトポールアンテナ

20世紀のあいだは、クルマのアンテナはロッドタイプがが主流だった。

だが、見た目や風切り音などのウイークポイントを解消しようと、1990年代あたりから登場したのがフロントウインドウの上側やリアウインドウに貼り付けるフィルムタイプのアンテナだ。

コンパクトポールアンテナ
コンパクトポールアンテナ

現在でも採用しているモデルはあるが、受信感度が今ひとつとも言われている。そこでブースターが必要となるため、後付けで装着する場合のコストはブースターも含めてかなり高価になった。

21世紀に入って、ヨーロッパ車から登場したのが「コンパクトポールアンテナ」だ。現在では国産車でも軽自動車やコンパクトカーでは大半のモデルがこのアンテナを装着している。

アンテナの長さは20-30cmくらいで、伸び縮みはしない。コイル状のアンテナを樹脂製のカバーで覆っている。

アンテナは長い方が感度は良くなるのだが、素材や製法など技術の進化で感度はロッド式と変わらない性能を発揮している。

ただし、そのままだと洗車機やタワーパーキングで引っかかるおそれがあるため、前側に倒せるものや、アンテナ本体だけネジ式で外せるものが多い。

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