F1人気、回復への課題 AUTOCAR英スタッフの意見 タイヤの耐久性が鍵

公開 : 2019.09.28 18:50

フォーミュラ1の主催者らは、2021年シーズンに向けて新たな技術的ルール作りの総仕上げに入っています。より見た目も良く速いマシンを揃え、より良いレースの実現を目指しているのです。しかし、F1には多くの問題も指摘されています。そこで今回、われわれのライターの意見をまとめました。

ジェームズ・アットウッドの意見 AUTOCAR編集次長

最近のF1は先が読めすぎる。過去の132戦において、優勝したのはわずか3チームだ。メルセデスAMG(87勝)、レッドブル(27勝)そしてフェラーリ(18勝)だ。もともとF1は限られたチームに支配されていたが、予想もしなかった中堅チームが勝つこともあった。しかし今やマシンの信頼性が高くなりすぎており、高価な部品の使用を制限したらどうだろうか。

さらに不確実性を増やすのも有効だろう。現在、毎回のレースはパターン化しており、3日間で3回のプラクティスの後予選を行い、320kmまたは2時間のレースという構成だ。レースの長さのバリエーションを増やしたらどうだろう。例えば、高速コースのモンツァで行われるイタリアGPは1時間15分程度で終了している。さらに161kmほど追加したとしても2時間でおさまるだろう」

観客のいない練習日
観客のいない練習日

それにたとえばシンガポールGPを1時間のスプリントとしても、誰からも文句は出ないだろう。そしてバーレーンGPのプラクティスで、グランドスタンドに観客がいるのを見たことがあるだろうか。わたしはない。そこでこれを2日間にしてプラクティスと予選を土曜日に、本戦を日曜日にしたらどうか。もしくはダブルヘッダー型として、0.5ポイントのスプリントと、より長い本戦という形式も考えられる

(英国GPを含め)変える必要のないレースもある。しかし1年のうちいくつかのレースにバラエティを持たせることで、チームがコンフォートゾーンから抜け出さざるを得ないようにしたら、面白くなるのではないか。

マット・プライアーの意見 AUTOCARエディター・アット・ラージ

もともと自動車レースとはクルマの性能を示すためのものであり、ドライバーのスキルを競うものではなかった。しかしその両者は対等に考えられるようになり、追い越しやスリルがレースの醍醐味となったのだ。一部のシリーズではマシンの性能に制限を設けることにより、さらにレースが白熱するようにした。しかしF1は例外だ。

F1は最も速く、技術的にも進んだレースだ。このルールの元では、資金力のあるチームが圧倒的に有利なのだ。F1はコスト上の問題から過度なテクノロジーの使用を禁止したが、これではまだ追い越し合いを伴うようなバトルを増やすには不十分だ。

フェラーリを応援するファン
フェラーリを応援するファン

しかし、自由なデザインや技術革新などを制限しては本当のレースの楽しみが得られないのではないか。ドライバー同士の対決を見たいのであれば、技術的な制限を設けるべきだ。しかし地球上で最も速いレースを作るのなら、そんな制限は不要だろう。F1はどちらに舵を取るかを決める時がきている。

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