サードパーティ製パーツの真実 性能は純正以上? DIYもコストダウンのカギ

公開 : 2019.11.17 18:50

些細な不具合にもかかわらず、修理に多大なコストと労力を掛けた経験はないでしょうか? 純正部品だからと言って必ずしも完ぺきという訳ではなく、さまざまな制約から不具合を内在したものも存在します。今回ご紹介するのはそんな純正部品の問題に対応するある企業です。

純正部品 完ぺきではない?

偽装をほどこされたプロトタイプの写真が公道上で撮影されることがあるが、こうした車両はまさに耐久試験を受けているところであり、公式発表会の場でメーカーのエンジニアたちは、耐久性や信頼性を確保すべく数十万kmもの試験走行を行ったと誇らしげに話すことだろう。

それでも、デスバレーの酷暑やニュルブルクリンクでの徹底的なテスト、北極圏の酷寒のなかで開発されたにもかかわらず、英国を走り回るクルマのほとんどが、10年間重大な故障に見舞われることなく過ごすことは出来ない。

X8R製パーツの数々。
X8R製パーツの数々。

さらに、その原因は決してエンジンやトランスミッションなどではなく、ほんの小さなパーツの不具合に過ぎないが、修理にはコストと手間暇がかかるようなトラブルなのだ。

だが、幸いにもラムズゲートの工業地帯の一角で、こうした些細なパーツの不具合に悩まされるオーナーたちのために、非常に安価なだけでなく同じようなトラブルの再発防止を可能にした部品を創り出している企業がある。

いまや彼らは世界中に何万もの部品を発送しており、その結果、この会社のオーナー、キーラン・マニングスは若干32歳という若さでアストン マーティンレンジローバーに加え、ビーチハウスまで手に入れている。

キッカケは小さなリング

では、マニングスはどうやって世界最高のエンジニアたちが失敗した部品で成功することが出来たのだろう?

「クルマに使われている部品のなかには、問題を抱えているものがあります。素材の耐久性が低かったり、そもそもの検討がまったく足りていないのです」と、彼は話す。

175ポンド(2万3000円):BMW純正部品とXBR製DISAバルブ用リペアキットの価格差だ。
175ポンド(2万3000円):BMW純正部品とXBR製DISAバルブ用リペアキットの価格差だ。

「コストや重量制限、設計時間の不足といったものがその理由だと思いますが、その責任を取らされるのは車両オーナーです」

マニングスがこの会社を始めたのは、ホンダのスクーター(特にX8Rがメインだったので、それが社名となっている)をさらに速くするためのパーツ販売を行っていた学生時代のことだった。

その後、ワイルドスピード・シリーズの大ヒットを受け、インターネットを通じた自動車用のアンダーネオンの販売を始めた彼は、大学の学生寮の自室から商品を発送していたという。

そんな当時、彼のガールフレンドがルノーメガーヌのトランクを開けるため鉛筆を使っているのが目に留まったが、その原因はリリースボタンの故障であり、ディーラーでこの部品を購入した場合150ポンドを支払う必要があった。

だが、この部品を分解してみると、小さなプラスチック製リングが外れていることが不具合の根本原因であることが分かったので、ステンレスで新たな部品を製作してみると、このステンレス製リングは完ぺきにフィットし、二度と同じような故障を起こすことはなかった。

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