復刻 アストン マーティンDB4 GTザガートに試乗 DBSザガートとペアで約8億

公開 : 2019.10.26 09:50  更新 : 2020.12.08 18:48

これだけの中毒性のある運転する喜び

1961年当時の技術力の高さを示すように、ブレーキは4輪ともにディスク。パッドがしっかりディスクに噛み付くが、ダンロップ製レーシングタイヤのグリップ力が限定的なこともすぐにわかる。前輪をブレーキングでロックさせることは簡単だ。

強くブレーキングするたびにDB4 GTザガートはぐっと沈み込み、数ラップするとわずかに振動も生じるようになった。車内は加熱したブレーキパッドが発する刺激臭で満たされた。

アストン マーティンDB4 GTザガート・コンティニュエイション
アストン マーティンDB4 GTザガート・コンティニュエイション

控えめな限界点といえるが、コーナリングではそれが長所に代わる。クルマの性能を存分に引き出しながら運転に没入できる快感は、現代の同等の性能を持つクルマでは得られないものだ。

ステアリングにはパワーアシストが備わらないぶん、レシオもスロー。だが手応えは鮮明でタイヤからのフィードバックも濃い。フロントタイヤのグリップがギリギリだということを、しっかり教えてくれる。

アンダーステア状態にもなりやすいが、ステアリングを少し戻してアクセルペダルを踏み込めば、姿勢のバランスは改善。そのままリアタイヤをスライドさせ、オーバーステアへと切り替えせる。

すべてのコーナーが冒険的な体験だった。狙ったラインにDB4 GTザガートの乗せるには、手と足とを複雑に操らなければならない。だが細かな操作にもしっかり反応してくれる優れたレスポンスを備え、運転する喜びには中毒性があるといっても良いだろう。

あるべき姿で走らせる強い心も必要

この印象は、暖かい日の乾燥した路面状態でのもの。濡れて滑りやすい路面や、他のヒストリックカーと並走するような場面では、よりシリアスで恐ろしくもある体験になるだろう。

このアストン マーティンDB4 GTザガートのオーナーになる人は、クルマを本来あるべき姿で走らせることを恐れない、相当に強い心も必要だといえる。サーキットでの勇姿を、ぜひとも見てみたいものだ。

アストン マーティンDB4 GTザガート・コンティニュエイション
アストン マーティンDB4 GTザガート・コンティニュエイション

ジャガーに引き続き、復刻モデルの生産を手掛け始めたアストン マーティン。このトレンドは、他のメーカーにも波及する可能性がある。AMWの場合は、ジェームズ・ボンドが駆ったDB5の復刻も25台予定している。特殊装備も備えたカタチで。そのほかにも復刻モデルの計画はあるようだ。

だが、このDB4 GTザガート・コンティニュエイションほどに特別なクルマはないと思う。また、セット販売されるDBSスーパーレジェーラ・ザガートも興味の湧くクルマではある。

アストン マーティンDB4 GTザガート・コンティニュエイションのスペック

価格:600万ポンド(7億9800万円・アストン マーティンDBSスーパーレジェーラ・ザガートとのセット価格)
全長:4267mm
全幅:1557mm
全高:1270mm
最高速度:−
0-100km/h加速:−
燃費:−
CO2排出量:−
乾燥重量:1230kg
パワートレイン:直列6気筒4670cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:385ps/6000rpm
最大トルク:49.6kg-m/5000rpm
ギアボックス:4速マニュアル

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