試乗 メガーヌR.S.トロフィー新型(EDC) 内装/スペック/価格、筑波で評価

公開 : 2019.11.12 19:25  更新 : 2021.03.05 21:34

スポーツモードが楽しい

ノーマルモードは挙動が穏やかになるものの最大負荷走行でのハンドリングの印象はレースモードと大きく違わなかった。

筑波サーキットでの限界走行では後輪逆位相制御制限の60km/h以下となる状況がほとんどないこともあるが、スタビリティ優先のノーマルモードでも限界域で優れたコントロール性を発揮するのは基本シャシー性能の優秀性と当(とう)を得た制御の4コントロールの賜である。

専用装備のスポーツエグゾースト(アクティブバルブ付き)。
専用装備のスポーツエグゾースト(アクティブバルブ付き)。

で、スポーツモードだ。これも限界まで追い込めばスタビリティ重視あるいは効率的な制御となる。だが、限界の8割方くらいの領域では切れ味や軽快感が誇張された操縦感覚。

限界までのゆとりを使ってオーバーアクション気味の挙動を楽しむ感じである。例えば、アクセルオフと素早い操舵で一気に姿勢を変えたり、コーナーの立ち上がりでアクセルを開けながら舵角を深くしたりすると、オーバーステア気味の挙動を示す。

後輪逆位相でCFを落とした結果と思われるが、危なげなく振り回すようなドライビングが可能なお楽しみモードと言える。

限界を極めるも無邪気に高揚感を味わうもよしの4コントロールなのだ。

「買い」か?

撮影のため構内路を走らせたが、流石に乗り心地は硬い。あれだけの激しい加減速と横Gでのしなやかさと挙動の落ち着きを得ているのだから当然である。

その点ではかなり尖ったスポーツ派限定になるが、もし高性能に求めるものが「派手な走り」と「綺麗な走り」で二分されるとしたら、メガーヌR.S.トロフィーは後者。そして綺麗な走りは効率のよさであり、効率のよさは揺れ返し等の無駄な挙動を抑えるための補正をドライバーに要求しないことでもある。

専用装備のR.S.用ナッパレザー/アルカンタラステアリング。
専用装備のR.S.用ナッパレザー/アルカンタラステアリング。

トロフィーだけが特別な存在というより、ルノーの考える高性能を高純度で結晶化した結果なのだろうが、多いに共感を覚える。

車両価格はメガーヌR.S.(基本モデル)の約50万円高の499万円。試乗したEDC仕様のほかに6速MT仕様があり、こちらは10万円安の489万円である。レカロシート等の専用装備を考慮すれば、納得できる価格設定だ。

Cセグで500万円は安くはないが、同等パワースペックのゴルフRは約580万円。ゴルフRは4WDを採用するので、駆動方式分の差額を引いてもトップエンドのスポーツモデルではお値打ち価格である。

ACCの設定がなく、車線維持支援は逸脱警報止まり。運転支援機能に不満はあるものの、その他の一般的な安全&運転支援機能は揃っている。品よくまとまった内外装もあり、偏見めいた視線を受けることもないだろう。硬い乗り心地も雑味はなく、ハードコアスポーツを乗る満足感を得るに相応である。

実用のために選ぶモデルではないが、性能追求のための実用面の犠牲を最小限に留めているのも好感。ルノー・スポール車が世界でフランスとドイツに次いで日本で売れているのも当然、と思わせるモデルである。

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