ポルシェ初のEV「タイカン」日本発表 日本価格は未発表 航続距離/サイズ/内装 詳細解説

公開 : 2019.11.20 14:00  更新 : 2021.10.11 09:27

ポルシェ初のEV、タイカンが日本で発表されました。航続可能距離、インテリア、パワートレインといった詳細/スペックを解説。4Sが530ps、ターボが680ps、ターボSが761ps。日本価格は発表されていません。

はじめに ポルシェタイカンとは?

text:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)
photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)
ポルシェ

11月20日、ポルシェ ジャパンは初の電気自動車(BEV=バッテリーEV)「タイカン」の日本導入を発表した。タイカン(Taycan)という車名は、ポルシェのエンブレムの中心にいる馬の名前で、「生気あふれる若馬」という意味に由来するという。

じつは、ポルシェの創業者であるフェルディナント・ポルシェが最初に手がけた自動車は、1900年にオーストリアのローナーで製作した電気自動車「ローナー・ポルシェ」だった。

タイカン・ターボS(欧州仕様)
タイカン・ターボS(欧州仕様)

それから120年近い時を経て、ついにポルシェは自社ブランドとしては初の電気自動車を生産するようになったわけだ。

ポルシェのスポーツカーらしいEV、タイカンとはどんなクルマなのか。そのアウトラインを紹介していこう。

ポルシェ・タイカンの外観

タイカンの外寸は、全長4965×全幅1965×全高1380mm、ホイールベースは2900mmと、スポーツカーとしてはかなり大柄。

フラッグシップ・サルーンのパナメーラと全長はほぼ同じだが幅はわずかに広く、車高は40mmほど低いといったサイズ感だ。Cd値は0.22という、現在のポルシェ・ラインナップでは最高の数値を誇る。

ポルシェ初のEV、タイカン・シリーズ。
ポルシェ初のEV、タイカン・シリーズ。

いわゆる4ドア・クーペ的なスタイリングで、サイドビューは911の4ドア版といった雰囲気だ。ポルシェのデザイナーが「フライライン」と呼ぶ、リアに向かって下向きに傾斜するスポーティなルーフラインによるシルエットは、ポルシェデザインのDNAを保持している。

彫りの深いサイドセクション、流線形のグリーンハウス(キャビン)、上に行くほど細くなるテーパーの付いたCピラー、そしてフェンダーの際立つショルダーなど、ディテールも特徴的だ。

細長いリアコンビネーションランプに組み込まれたガラスルックの「PORSCHE」ロゴもユニークである。

ポルシェ・タイカンの内装

インテリアでは、ポルシェ伝統のクラシックなデザインを再解釈し、デジタル時代の要素を取り入れている。

ダッシュボードの上部と下部セクションは、鳥の翼のような形状で車室の幅いっぱいに伸びている。

タイカンのコクピット。
タイカンのコクピット。

ドライバーの前には湾曲したメーターパネルがダッシュボードの頂点にあり、ドライバーオリエンテッドなコクピットであることを明確に示している。

センターダッシュには10.9インチのインフォテインメント・ディスプレイとパッセンジャーディスプレイが、ブラックのパネルルックで一体化されたガラス画面を形成している。

シート形状はポルシェ伝統のヘッドレスト一体型で、オプションでなめし工程にオリーブの葉を使用したクラブレザーのOLEAや、完全にレザーフリーのインテリアも提供される。フロアカバーには、漁網をリサイクルした再生繊維のEconyを使用している。

ラゲッジスペースは、フロントに81L、リアに366Lと前後に備わっているところがEVらしい。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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