【白熱のレースに期待】F1新レギュレーション 2021年から適用開始 前編

公開 : 2019.12.22 11:50

2020年末に現行のコンコルド協定が失効することから、2021年シーズンからF1には新たなレギュレーションが導入されます。より白熱したレース展開の実現とF1の持続可能性を高めるべく、初めてチーム財政に関するレギュレーションも設定されました。その内容をご紹介します。

もくじ

コンコルド協定失効 2021年が新たなスタート
テクニカル・レギュレーション:白熱したバトルの実現
テクニカル・レギュレーション:パフォーマンス差の減少
テクニカル・レギュレーション:グラウンド・エフェクト・カー
テクニカル・レギュレーション:一定の自由度

コンコルド協定失効 2021年が新たなスタート

2017年1月にバーニー・エクレストンから正式にF1グランプリの運営権を取得して以来、リバティ・メディアではつねに「現在ではなく2021年以降の状況を見てわれわれを評価して欲しい」と言い続けて来た。

2021年というのは、F1の運営や商業的権利に関する現行のコンコルド協定が2020年末に失効を迎え、その後のレギュレーションや運営、そして財政面における合意事項がすべて白紙に戻るタイミングなのだ。

支配階級:F1でCEOを務めるキャリー(右)とスポーツ・ディレクターのブラウン
支配階級:F1でCEOを務めるキャリー(右)とスポーツ・ディレクターのブラウン

これまで、新たにF1のオーナーになったとは言え、リバティ・メディアが行使できる影響力には限りがあり、ある意味エクレストン時代が続いていたとも言える。

これまでの数シーズンも、今後のF1の方向性を巡る終わりのない議論が展開されていたが、現行のコンコルド協定の失効により、2021年以降のルールが白紙に戻るということは、理論上、リバティとFIAにすべてが委ねられるということであり、参戦する各チームは彼らに従うほか道はないということを意味していた。

そして、これは自らの既得権を必死で守りたいと考えている関係者の影響力を排除して、目指すべき方向性を決定することの出来る千載一遇のチャンスでもあった。

協定失効に伴う2021年シーズン以降の変更内容に関する発表は、当初2019年3月31日までに行うことになっていた。しかし、議論が続くなか、詳細まで決定するにはあまりにも時間が足りないということで、この期限を今年の10月31日まで延長することで関係者が合意している。

そして、シーズンを通じた議論のあと、FIA会長のジャン・トッドとF1でCEOを務めるチェイス・キャリー、そしてスポーツ・マネージング・ディレクターのロス・ブラウンの3人が、世界モータースポーツ評議会が承認したレギュレーション案を公表したのだ。

より詳しく言えば、F1で使用されるテクノロジーやレース規則といった馴染み深いルールに加え、今回初めて財政に関するレギュレーションも導入されることとなったために、公表された案には3つの要素が含まれている。

そして、この新ルールでは、なによりも長期的なF1の持続可能性と、より白熱したレース展開の実現に重きが置かれているのだ。

テクニカル・レギュレーション:白熱したバトルの実現

2021年シーズンに向けたテクニカル・レギュレーションほど、研究開発とテストに関する規制を重視したものはこれまでのF1の歴史には存在しなかった。

ブラウンがスポーツ・マネージング・ディレクターに就任して最初に行ったことのひとつが、ベネトン時代のルノーF1チームでテクニカル・ディレクターを務めたパット・シモンズをリーダーとする、元F1エンジニアたちを集めたチームを結成し、彼らに新たなレギュレーション案の検討を命じたことだった。

マシンの最低重量は25kg増えて768kgになるとともに、ホイールサイズは18インチへと変更されている。
マシンの最低重量は25kg増えて768kgになるとともに、ホイールサイズは18インチへと変更されている。

本来はアウトサイダーである彼らがルールを作る側となり、元フェラーリのチーフデザイナーで、FIAでシングルシーターに関する技術トップを務めるニコラス・トンバジスと緊密に連携して作業を進めている。

ブラウンによれば、この元F1エンジニアたちのチームは、レースをさらに魅力的なものにするという明確なゴールのもと、F1における長年の課題だったより白熱したバトルを実現すべく、まったくの白紙からルール作りを始めたという。

徹底的な風洞実験とCFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)による開発作業、そして、各チームからのサポートも、こうしたルール作りに貢献している。

2017年に行われた前回の主要なルール変更では、マシンをより速く、魅力的なものにすることが主眼であり、激しいバトルの実現というのはその目的ではなかった。

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