アルファ・ロメオ・ステルヴィオTi マイナーチェンジ SUV随一の走りの良さ

公開 : 2019.12.05 09:50

モデル中期のフェイスリフトを受けたアルファ・ロメオ製初のSUV。ライバルに並ぶ電子技術を装備し、車内の質感を向上させることが中心の改良を受けました。操縦性の良さには以前通り強い訴求力を備えています。

エンジンのラインナップに変更はなし

text:Tom Morgan(トム・モーガン
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
アルファ・ロメオとして初めてのSUVがステルヴィオ。現在販売されているSUVの中で最も活力に溢れたモデルでもあり、販売面で強力にブランドをサポートしている。

アルファ・ロメオ・ジュリアと並んで、ブランド・イメージの好転に結びつけたクルマだ。だが競争の激しいカテゴリーにおいて、ステルヴィオには改善の余地が残されていたことは、メーカーとしても認めていた。

アルファ・ロメオ・ステルヴィオTi 210 Q4
アルファ・ロメオ・ステルヴィオTi 210 Q4

今回のマイナーチェンジで焦点が当てられたのは、ショールームに来た人が最も気にする部分の1つ。クルマとしての品質だ。アルファ・ロメオから品質と聞くと、驚くのは筆者だけだろうか。

2017年にステルヴィオをロードテストした際、インテリアデザインは「第一印象は感動するほどにスタイリッシュ」 なものだったが、よく観察すると質感や組み立ての品質でがっかりしたのだった。

それ以外の部分での変更はほぼない。エンジンのラインナップは、2.0Lガソリンと2.2Lディーゼルを変わらず用意。クアドリフォリオには2.9LのV6エンジンが搭載されるが、2020年半ばまでは継続。電動化技術の採用はFCAグループの中では遅れを取ったのか、今回は間に合わなかったようだ。

今回試乗したのはディーゼルエンジンの最強板、210psのTiで、8速ATと組み合わされる。駆動方式はアルファ・ロメオ伝統のQ4と呼ばれる4輪駆動システムを採用する。

インテリアのレイアウトは不変でも質感は改善

マイナーチェンジに合わせてトリムグレードは簡略化。スーパーとスプリント、Ti、ヴェローチェの4種類となった。スポーティなグレードのエンブレムはブラックになり、それ以外はシルバーに塗り分けられる。

Tiの場合、サイドスカートやフェンダーカバー、リアバンパーの下部はブラック仕上げとなる。1980年代のアルファ・ロメオ164を思い返す読者もいるだろうか。一方でスプリントとヴェローチェは、ボディと同色仕上げだ。

アルファ・ロメオ・ステルヴィオTi 210 Q4
アルファ・ロメオ・ステルヴィオTi 210 Q4

大幅に改良を受けた、と聞いて期待しながらステルヴィオの車内に入ると、少し肩透かし。マイナーチェンジ前の構造を生かした範囲での変更に留まっている。全体的な素材の質感はしっかり向上しているものの、基本的なレイアウトに変わりはない。

だが、安っぽいプラスティック製パーツは姿を消している。センターコンソールは見た目も触感もプレミアムさが漂う、光沢のある仕上げに生まれ変わった。センターアームレスト下の小物入れは大きくなり、スマートフォンのワイヤレス充電機能が追加されている。

インフォテイメント・システムのロータリースイッチも、安物感は払拭。過度な光沢が抑えられ、回転もスムーズになっている。その側には赤、白、緑のイタリアン・トリコロールのエンブレムが配され、ブランドの歴史の長さを表現しているのだろう。

シフトノブはレザー巻きとなり、操作感も良好。ステアリングホイールには、こちらも質感の良いアルミニウム製のシフトパドルが付いているから、シフトノブを操作する機会は少ないかもしれない。

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