【ロードテスト】ルノー・クリオ ★★★★★★★★★☆

公開 : 2019.12.07 11:50  更新 : 2020.01.05 23:02

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

先代である4代目クリオの独特な、角の丸められた滑らかな乗り心地と楽しいハンドリングのブレンドは、2013年のテストで我々を魅了した。しかし、今回の5代目では、より熟成味のある走りを目指した結果、かつての緩やかな乗り味がやや損なわれた印象だ。

硬くなったスプリングとダンパー、そして強化されたスタビライザーは、より張り詰めた縦方向のボディコントロールを狙ったものだ。ところが、アンジュレーションのある道で、プライマリーライドがやや威勢のいいものとなり、速度を上げると、破綻しやすいとさえ感じるところまで近づく。しかも、低速でもぎこちないところを感じさせる。

しなやかな乗り心地とハンドリングの両立ぶりは、先代の方が一枚上手だった。
しなやかな乗り心地とハンドリングの両立ぶりは、先代の方が一枚上手だった。    MAX EDLESTON

きつめの轍や突起では、必要以上にそれを感じさせる傾向がある。それでも、そうでないときにはセカンダリーライドを快適な範囲に収めてくれる、ダンパーチューンの洗練度を持ち合わせてはいる。

ドイツ勢などとの差別化ポイントでもある、特有のソフトな「フランス車らしさ」が目減りしたことを残念に思うという声もあるだろう。たしかにこのクリオは、自信を持って走らせるという点でポロあたりの水準には及ばない。しかし、もっともきつい突き上げにに対しては、いまなおほとんどのライバルより快適さを保てる。

静粛性は、完全無欠とはいかないがすばらしい。5速しかないにもかかわらず、1.0Lエンジンは高速道路の速度域でも静かで疲れ知らず。風切り音もよく抑えられているが、ロードノイズのみはときとして平穏を乱すことがある。

113km/hクルーズでは、67dBを計測した。これは昨年テストしたポロの1.0Lより1dB高いが、2017年のフィエスタ1.0Lよりは3dB低い数値だ。

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