【ボルボのガラス製ギアセレクター】まさに工芸品 感じるのは深い繋がり? 後編

公開 : 2019.12.22 16:50

ボルボではいまガラス製ギアセレクターが人気のオプションとなっています。数百年の伝統を持つ技法からハンドメイドで創り出されたこのギアセレクターを選択しても、シフト時間が短縮されることはありませんが、テクノロジーを超越した何かを感じることが出来ると言います。

単なる足手まとい

この時点で工房を見学し始めてから30分ほどしか経っていなかったが、それでもまだ是非ガラス作りに挑戦してみたいと考えていた。

ひとりの職人がついに、熱く溶けたガラス製ギアセレクターのついた棒を移動させる役目をわたしにやらせてくれることになった。

完ぺきな製品だけがアニーリング炉で8時間を過ごすことを許される。
完ぺきな製品だけがアニーリング炉で8時間を過ごすことを許される。

彼は非常に熱いからと注意をしてくれたのだが、それは棒の先にある赤々と熱せられた溶けたガラスを見ればわたしにもよく理解できた。

自分では上手くやっているつもりだったが、わたしが近づいた製品はすべてそのまま水バケツ行きであり、わたしの貢献と言えば単に不良品の発生率を上げただけでしかなかった。

生き残ることに成功したギアセレクターたちは、アニーリング炉と呼ばれる炉で再度加熱と冷却が行われ、8時間後にようやく室温まで温度が下げられる。

その後、XC40用ギアセレクターにはオレフォスのロゴが印字される一方、大型モデル向けのセレクターでは、3D効果を発揮するよう内部に印字が行われる。

結局ショーグレンはその方法を教えてくれなかった。もうひとつの秘密のようだ。

一旦完成したギアセレクターは、最後に熟練の職人によるさらに厳密なチェックを受けることになる。彼のとなりには、その厳格な検査基準に合格することの出来なかったギアセレクターの詰まった容器が置かれていた。

持続可能性が重要

もっとも多い不良の原因とはなんだろう?

「気泡です」と、さも忌々しそうにショーグレンは言う。彼は気泡を憎んでいるのだ。

ベリストローム(左)はボルボのマテリアルデザイナーだ。
ベリストローム(左)はボルボのマテリアルデザイナーだ。

「もしひとつでも気泡が見つかれば、製品として出荷することはできません」

わたしにガラス職人の才能がないことは明らかだったが、もしかしたら品質管理なら出来るかも知れない。

だが、不良品の入った容器を探っていると、ショーグレンに指摘されなければ気付かないような気泡を含んだギアセレクターを発見している。

不良品がすべて無駄になるわけではない。検査ではねられたギアセレクターは再び溶かされ、再利用されるのだ。

「持続可能性はわれわれにとって非常に需要な要素です」と、ショーグレンは言う。

ショーグレンによれば、すべてのギアセレクターはボルボへと出荷され、車両に取り付けられるまでに最低6回の検査をパスする必要があると言う。

この複数回にわたる検査は品質を守るためであると同時に、自動車の厳格な基準を満たすためでもある。

「自動車メーカー向けにパーツを納め続けるというのは簡単なことではありません」と言うのはショーグレンだ。

「すべてのギアセレクターの生産方法が同じであると証明する必要があります。われわれは自動車メーカーではありません。われわれはガラス製食器のメーカーです。合格するにはボルボからの多くのサポートが必要でした」

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