【中東/インド/中国とも】英アストン マーティン、投資家との協議を認める

公開 : 2019.12.18 10:50

先週、AUTOCAR英国編集部は、カナダの億万長者ローレンス・ストロールによるイギリスの高級車メーカー・アストン マーティンの買収可能性を公表しました。今回の続報によれば、中東、インド、中国の投資家も同社に関心を示しているとのことです。

カナダのビリオネアほか、複数投資家と協議中

text:Jim Holder(ジム・ホルダー)
translation:Taeko Yamamoto(山本妙子)

アストン マーティンは証券取引所向けの声明において、複数の潜在的投資家と協議中であることに言及。

「弊社は、資金調達要件およびさまざまな資金調達オプションを検討しています」

レーシングカー開発のノウハウが光る「DB11 AMR」。
レーシングカー開発のノウハウが光る「DB11 AMR」。

「また、長期的な関係構築に向けて、株式投資を含む場合もそうでない場合も含め、複数の潜在的な戦略的投資家と初期段階での議論を行なっています」

「おって、適切なタイミングで内容を公表いたします」

先週、AUTOCAR英国編集部はRaceFans.netと連携し、カナダの億万長者ローレンス・ストロールによるアストン マーティンの買収可能性をいち早く公表した。今回、同社は協議の事実を正式に認めたことになる。

中東、インド、中国の競合メーカーも

また、英フィナンシャル・タイムズは本日、ストロール以外の投資家もアストン マーティンへの出資に関心を示していることを明らかにした。

その中には、中東、インド、中国に本拠地を置くライバル自動車メーカーおよび企業も含まれるという。

以下、前回記事(12/9付掲載)からの抜粋

ピュアスポーツカー「ヴァンテージ」。
ピュアスポーツカーヴァンテージ」。

ローレンス・ストロールは、推定資産が20億ポンド(約2851億円)を超えると言われるカナダの大富豪だ。F1ドライバー・ランスの父でもあり、(ランスの所属する)レーシングポイントF1チームのオーナーでもある。

また、クルマのコレクターとしても名高い。その中には、世界で最も貴重なクラシックフェラーリのコレクションと称されるものも含まれる。

投資や所有の対象はクルマだけではなく、ファッション・ジュエリー業界にも及ぶ。仏ピエール・カルダン、米ラルフ・ローレン、米トミー・ヒルフィガー、英アスプレイ、英ガラードなどに投資し、ブランドを構築している。

株価低迷、DBXに期待

投資家として、そしてクルマのコレクタ―としての彼の関心が、今回はアストン マーティンの支配権獲得へ向けられたものと思われる。

現在、アストン マーティンの株価は低迷し、販売状況は予想を下回っている。

アストン初のSUV「DBX」。
アストン初のSUV「DBX」。

一方、先ごろ正式発表された初のSUV「DBX」の予約注文は予想を上回る見込み。

おそらく、彼は成功すると見積り「今が買い時」と判断したのだろう。ただし、実際に納車が始まるのは2020年の半ばを過ぎてからだ。

ローレンス・ストロールは、RaceFans.netへの回答を拒否。

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