【新パワートレイン試乗】M・ベンツEクラス、ディーゼルPHV「E 350 de」 価格/内装/走りを評価

公開 : 2020.01.01 20:55  更新 : 2021.12.28 00:10

じつは、戦略的な価格

3.5LのV6ハイブリッドを搭載するクラウンRSアドバンスの価格は約703万円。「E 220 dアバンギャルド」にAMGラインを装備すると約815万円。「E 300アバンギャルド・スポーツ」は871万円。

と並べれば、「E 350 deアバンギャルド・スポーツ」は1000万円近くでもおかしくないが、875万円である。

「EQ POWER」バッジは、EQカテゴリーのプラグイン・ハイブリッド車の証し。
「EQ POWER」バッジは、EQカテゴリーのプラグイン・ハイブリッド車の証し。

「ベンツ車に掘り出し物なし」とよく言うものの今回の「E 350 de」は例外かもしれない。パワートレインのスペック基準で定まった「350」には相応の価格設定だが、PHV分の上乗せ分がない。かなり戦略的な値付け、つまり買い得感が高いのだ。

一般的にハイブリッド車と標準エンジン車の価格差を燃費で埋めることは、余程のヘビーユーザーでないと難しい。PHVとなれば尚更である。

ところが「E 350 de」は標準エンジン車とさほど変わらない価格設定である。

23万円安、E 350 eの存在

燃費でどれほどの優位性があるかは現時点では不明だが、アドバンテージの大小の問題でしかなく、燃費がいい分はそのまま経済的なメリット。しかも運転感覚や快適性の質感も高まっている。

コスパも考えながらEクラスで何を選ぶべきか問われたなら、迷わずPHVと答える。問題は、それがディーゼルか、ガソリンか。

EV走行をするなら「E」。エンジンを掛けてバッテリー充電を優先する「チャージ」でも静かだった。
EV走行をするなら「E」。エンジンを掛けてバッテリー充電を優先する「チャージ」でも静かだった。

ガソリンPHVの「E 350 eアバンギャルド・スポーツ」は852万円。価格差は23万円である。

「E 350 e」が未試乗のため、総合的な性能を比較することはできないが、燃料代を考慮するなら一般的なユーザーでも価格差は十分に回収可能。たぶん、どちらを選ぶかは内燃機タイプの好き嫌いが決め手になるのだろう。

E 350 deアバンギャルド・スポーツ スペック(欧州仕様値)

価格:875万円
全長:4923mm
全幅:1852mm
全高:1475mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費:-
CO2排出量:-
車両重量:-
ドライブトレイン:1950cc直4ディーゼルターボ+モーター
使用燃料:軽油
最高出力(エンジン):194ps/3800rpm
最大トルク(エンジン):40.8kg-m/1600-2800rpm
最高出力(モーター):122ps
最大トルク(モーター):44.9kg-m
ギアボックス:9速オートマティック

18インチAMG 5スポークアルミホイールは標準装備。
18インチAMG 5スポークアルミホイールは標準装備。

記事に関わった人々

  • 執筆

    川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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