【年間約1万人の小学生がベルト無しで死傷】身長150cmまでジュニアシートが必要なワケ

公開 : 2020.01.02 07:20

チャイルドシートの着用義務は5歳までですが、6歳をすぎても身長150cmまでジュニアシートが必要です。なぜならシートベルトだけだと、子どもの体を完璧に守れないからです。まずは年末年始の移動で要注意。

6歳過ぎたらチャイルドシート卒業は大きな間違い

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

チャイルドシートの着用義務年齢は5歳までとなっているが、6歳になったらチャイルドシートをしなくてもいいということではない。

6歳からは助手席はもちろん、後席もすべての席でシートベルト着用義務の対象となる。

「チャイルドシート義務年齢を過ぎたら不要」と、危険で勝手な解釈をしている保護者は多い。
「チャイルドシート義務年齢を過ぎたら不要」と、危険で勝手な解釈をしている保護者は多い。

2008年6月の道路交通法改正によって子どもでも高齢者でも、乗る人すべてに後部座席のシートベルトの着用が義務付けられている。

しかし、「チャイルドシート義務年齢を過ぎたら不要」と、危険で勝手な解釈をしている保護者は多い。

実際、筆者のママ友の中には「6歳過ぎたらチャイルドシートしなくていい(=シートベルトもしなくていい)」と危険なカン違いをして、シートベルトを使わず6歳のわが子を後部座席に乗せて、高速道路の出口で取り締まり対象となり、違反点数1点&反則金を課せられることになった者が3人もいる。

ママ友たちは口をそろえて、「なんで? 子どもなのにダメなの? 知らなかった」と嘆いていたが、今後、彼女たちは後席でも子どもにベルトをさせるだろうし、子どもの命が守られることになるなら感謝してもしきれないありがたい取り締まりになったはずだ。

ちなみに、後席ベルトを着用させるのはドライバーの義務。わが子だけではなく、子どもの友達を後ろに乗せるときも同様だ。

車両シートベルトだけでは、子どもの体を完璧に守れず

自動車メーカーは、身長145cm以上の「大人」がシートベルトを装着している前提で、各種の衝突テストなどを行い、安全性を評価している。

当然、身長がそれに満たない子どもが使うにはシートベルトの拘束力は完全に有効とはならない。

子どもは、頭が占める割合が大人より大きいので、身長145cmを超えていても肩ベルトが首に掛かる場合がある。 出典:ジュニアシートの必要性を検証した衝突テスト(JAFユーザーテスト)
子どもは、頭が占める割合が大人より大きいので、身長145cmを超えていても肩ベルトが首に掛かる場合がある。 出典:ジュニアシートの必要性を検証した衝突テスト(JAFユーザーテスト)

特に、子どもは、頭が占める割合が大人より大きいので、身長145cmを超えていても肩ベルトが首に掛かる場合がある。

ゆえに鎖骨と両腰骨の3点にシートベルトが正しくかかるよう、子どもの体の高さ(座面の高さ)を上げる必要がある。

それがいわゆる学童用ジュニアシートだ。ちなみに、チャイルドシートもジュニアシートも和製英語で。英語圏ではそれぞれ「car seat」「booster seat」と言われるが主流。

ジュニアシートにはハーネスは存在せず。車両シートベルトを使って子どもの体とシート本体を同時に固定するのが一般的だ。(子どもが座ってベルトを付けるまでは、ジュニアシート本体は固定されていないことになる)

これに対して、最近増えてきたISO FIXタイプのジュニアシートでは、ISO FIXの金具でがっちりと車両シートに固定されるため、安全性も高い。

これから買われるなら、ぜひフルバケットタイプ(ヘッドレストや背もたれが付いた)のISO FIXジュニアシートをお勧めする。

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