【試作車に試乗】アストン マーティン初のSUV「DBX」 舗装路/ジャリ道の印象は

公開 : 2020.01.15 09:01  更新 : 2021.10.13 15:26

大谷達也がアストン マーティンDBXのプロトタイプに試乗しました。レンジローバー・スポーツSVR、カイエン、BMW X6 M、ランボルギーニ・ウルス、ベントレー・ベンテイガをライバル視したと明言しています。

アストン マーティン初のSUV「DBX」

text:Tatsuya Otani(大谷達也)

アストン マーティン初のSUV「DBX」が登場することは、同社の長期計画を定めたセカンドセンチュリープランのなかですでに予告されていた。

この計画を策定したアンディー・パーマーCEOは、2016年から2022年までに毎年1台ずつニューモデルを発表し、以降はこの7台を1年ごとにフルモデルチェンジしてポートフォリオのリニューアルを図ると宣言していたのだ。

2016年から2022年までに毎年1台ずつニューモデルを発表し、以降はこの7台を1年ごとにフルモデルチェンジしてポートフォリオのリニューアルを図ると宣言していた。
2016年から2022年までに毎年1台ずつニューモデルを発表し、以降はこの7台を1年ごとにフルモデルチェンジしてポートフォリオのリニューアルを図ると宣言していた。

ちなみにセカンドセンチュリープランで挙げられた7台とは、すでに発表されているのがDB11(2016年)、ヴァンテージ(2017年)、DBSスーパーレッジェーラ(2018年)の3台で、2019年はDBXをローンチ。

これ以降は、2020年に次世代ヴァンキッシュ、2021年と2022年にはラゴンダ・ブランドからSUVとサルーンのEVがデビューする計画である(カッコ内は発表年度)。

ただし、ここに掲げたのはあくまでの発表のタイミング。DBXの場合は2019年11月20日に中国・北京でワールドプレミアが実施されたものの、実はその開発自体は2020年4月頃にデリバリーが始まるまで続けられるという。

今回は、いままさに開発が行なわれている量産プロトタイプに中東オマーンで試乗するとともに、チーフエンジニアのマット・ベッカーからそのコンセプトなどを聞いてきたので、ここで紹介しよう。

ライバル車の分析から開発をスタート

DBXの開発が始まったのはおよそ5年前。アストン マーティンにとっては初のSUVということで、ベッカーら技術陣はまずライバル車の分析から開発をスタートさせた。

俎上に挙げられたのはレンジローバー・スポーツSVR、ポルシェカイエンBMW X6 M、ランボルギーニウルスベントレーベンテイガなど。

俎上に挙げられたのはレンジローバー・スポーツSVR、ポルシェ・カイエン、BMW X6 M、ランボルギーニ・ウルス、ベントレー・ベンテイガなど。
俎上に挙げられたのはレンジローバー・スポーツSVR、ポルシェ・カイエン、BMW X6 M、ランボルギーニ・ウルス、ベントレー・ベンテイガなど。

こうしたモデルの評価を通じ、SUVにはスポーツカーやGTカーとは比べものにならないほど多種多様な性能が要求されることに気づいたそうだ。

そのような分析結果に基づいて、様々な性能を高次元で成立させたカイエン・ターボをベンチマークに据えるとともに、オンロード性能ではこれを上回るSUVを目標として設定することが決まる。

開発の初期には木製のボディを電気モーターで走らせる試作車を製作。居住性や視界などを慎重に確認し、ディメンションを定めていった。

結果としてできあがったボディ・サイズはカイエン・ターボに極めて近い。

多少の差が認められるのは、ホイールベースがカイエンは2895mmとなるのに対しDBXは3060mmとより長いことくらい。

この結果、2m近い身長のドライバーと乗員が前後に並んでも、後席の乗員にもひざ周りや頭上にスペースが残るほど広々とした居住スペースを実現したという。

記事に関わった人々

  • 大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。

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