【パーツも競売】ハコスカ、Zの評価は? BH東京テラダ・ジャニュアリー・オークション解説(後編)

公開 : 2020.01.22 06:10  更新 : 2021.10.11 09:29

BHの「東京テラダ・オークション」解説の後編です。F1マシン、スーパーカー、国産旧車の中から、ハコスカ、Z、さらにパーツの競売を検証します。

S20搭載車 勢揃い

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

東京オートサロン2020が開催された週末。都内の天王洲アイルにあるテラダTアートホールで、「BH東京テラダ・ジャニュアリー・オークション」が開催された。

このオークションで話題を集めたのは既報のとおりF1マシン。そして、もう1つ注目したいのが、今回解説する日本車の旧車である。出品車両は、日産が送り出した名機S20型エンジンを搭載する代表格の「スカイラインGT-R」と「フェアレディZ432」だ。

ロットNo. 18 1971年日産スカイライン2000 GT-R(KPGC10)フルレストア車:3388万円
ロットNo. 18 1971年日産スカイライン2000 GT-R(KPGC10)フルレストア車:3388万円

GT-Rはハコスカ(KPGC10型)をフルレストアしたもの、さらに使い込まれた個体が出品。また、ケンメリ(KPGC110型)も用意された。

オークションを終えてみれば、新車以上のコンディションで入札者を驚かせたフルレストア済のハコスカGT-Rは、3388万円まで値を上げて決着。

貴重なケンメリGT-Rは4730万円で終えている。

一方、ノンレストアのハコスカGT-Rは最低落札額まで入札が入らず流れてしまった。

Z 432Rが登場

フェアレディZ 432はロード・バージョンに加え、レース参加用に不要な装備を省いて軽量化が施されたZ 432Rが姿を見せた。

Z 432Rはほとんどがレースで使われてスクラップになったものが多く、現存するロード仕様はごく少数で幻の存在となっている。

ロットNo. 16 1970年日産フェアレディZ 432R:8855万円
ロットNo. 16 1970年日産フェアレディZ 432R:8855万円

入札が始まると幻のZ 432Rは圧倒的な強さを見せつけ、ここでの日本車の最高額となる8855万円で落札。

フェアレディZ 432は1628万円で終えた。

このほかホンダSのスペシャリストである「ガレージイワサ」でフルレストアされた完璧なコンディションのホンダS800が出品され、671万円で新オーナーの元へ嫁ぐこととなった。

パーツも大盛況

今回は車両のほか11点のコレクターズカーのパーツも出品された。

ここで主役となったのはF40のシートで、張り替え済という完璧なコンディションだったことから、なんと228万円まで競り合って終了。

ロットNo.Parts-2 S47シート2脚:61.2万円
ロットNo.Parts-2 S47シート2脚:61.2万円

スカイラインGT-Rのフロントシートも人気を集め健闘し、1972年モデル用のヘッドレスト付き完品は61万2000円と高額で落札された。このほかのパーツ類は順当といえる値段で終えている。

このように、前編で解説したF1マシンやスーパーカーを含めた車両、パーツの最終的な落札率は約65%と好調な結果に。最終落札価格の合計は5億6029万円となった。

日本でもコレクターズカー・オークションが定着し始めてきたことが伺い知れる。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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