【オーロラを追いかけて】ロールス・ロイス・ドーンで行く オーロラ発見ツアー 前編

公開 : 2020.02.15 18:50

英国でもオーロラが見えることをご存知だったでしょうか? 今回は英国版AUTOCARスタッフが、ロールス・ロイス・ドーンに乗ってオーロラを追いかける旅へと出ました。オーロラ予報をチェックしながら北限の地を目指した彼らですが、さしものドーンにも不可能はあったようです。

最果ての地

ロールス・ロイスのCEOはドーンのことを、「世界でもっとも豪華な特別の場所で、オープンエアーを楽しみたいと望むひとびとに向けた、もっとも社交的で驚くほどの高級さを誇るドロップヘッドモデル」だと表現している。

なかなか上手い表現だが、いま大西洋の荒波が岸壁を洗う真夜中のオークニー諸島の崖に佇んでいるいまのわれわれには想像することすら難しい。

6.2km/L:今回の旅での平均燃費であり、巨大な82Lのガソリンタンクのお陰で航続距離には問題が無かったが、ハイオクを満タンにすると、そのコストは114ポンド(1万6200円)にも達する。
6.2km/L:今回の旅での平均燃費であり、巨大な82Lのガソリンタンクのお陰で航続距離には問題が無かったが、ハイオクを満タンにすると、そのコストは114ポンド(1万6200円)にも達する。

このクルマに相応しいのはスコットランドのカークウォールではなくフランスのカンヌであり、こうした最果ての地では、このクルマはまさに宇宙人のように見える。

だが、ドーンを連れてここまでやって来たのには目的があった。

われわれはオーロラを探しに来たのであり、この地であれば「極北の夜明け」とでも呼ぶべき存在だ。

この旅のルートはランカスター大学で宇宙惑星物理学のシニアリサーチャーを務めるネイサン・ケース博士と、オーロラ・ウォッチUKのチームが考えてくれた。

前日ケースからは、オーロラが太陽から160万km/hというスピードで約4日間を掛けて地球へと届く太陽風から分離した、主に水素とヘリウムで構成されたプラズマによって引き起こされる現象であることを教わっていた。

「こうした電気を帯びた粒子が北極や南極を通じて大気へと到達すると、酸素や窒素と衝突することで、光としてエネルギーを放出しオーロラとなるのです」とケース博士は言う。

「英国でもっともよく見ることのできるグリーンのオーロラは原子酸素が引き起こします」

気まぐれな存在

オーロラ・ウォッチUKではランカスターとアバディーンシャー、シェットランドでオーロラが引き起こす電流の変化を検出すべく、磁場の状況をモニターしている。

こうして得られた情報からオーロラの発生確率を予想しており、その確率はaurorawatch.lancs.ac.ukのサイトで確認することが出来る。

世界中のオーロラの状況をインターネットで確認することが出来る。
世界中のオーロラの状況をインターネットで確認することが出来る。

もちろん、オーロラさえ発生すればそれで十分だというわけではない。

オーロラを観察するには、北に向かってゆがみのない晴れ渡った闇夜が必要であり、ケースによれば、オーロラは北極に向かって数百kmの楕円を形成するものの、英国からはその緯度のせいで一部しか見ることが出来ないと言う。

つまり、より北に向かえばそれだけ見える範囲が広がるということだ。

カメラマンのリュック・レーシーとわたしにとって、スケジュールの決まっていないロードトリップへ出発するというのは奇妙な感じだった。

だが、オーロラとはあまりにも気まぐれな存在であり、11月のある火曜の朝、ロールス・ロイスが外で待機しているというのに、われわれはエディンバラにあるわたしの家のキッチンのスツールに腰掛けていた。

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