【TVRグリフィスとマーティン・フォード】英編集部お気に入りのFRPスポーツを選出(4)

公開 : 2020.03.29 16:50  更新 : 2021.02.17 17:44

歴史的なスポーツカーから、マニアックな名車まで様々な個性。英国編集部のスタッフが、お気に入りのグラスファイバー・ボディを持つスポーツカーを選出しました。偏見混じりの選りすぐりの10台を、4編に分けてご紹介します。

もくじ

TVRグリフィス500
年齢を感じさせない弾丸のようなフォルム
マーティン・フォード
奇抜なボディは驚くほど活発に走る

TVRグリフィス500

text:C&SC Team(クラシック&スポーツカー・チーム)
photo:Olgun Kordal(オルガン・コーダル)/Max Edleston(マックス・エドレストン)/James Mann(ジェームズ・マン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 

ノーズが浮き上がるほど力強い加速

Jack Phillips(ジャック・フィリップス)

TVRグリフィス500
TVRグリフィス500

FRP製ボディのスポーツカーと聞いて挙げた、タルボ・マトラ・ランチョは即却下。そこでノーブルかTVRへ考えを改めた。

ボンネットに収まるローバー製V8エンジンは、今回集まった10台でベストといえるユニット。オーナーのマーティン・バックリーは、耐えきれず取材場所のスプリントコースを数周走らせて、咆哮を響かせてから集合した。

当初はビュイック製の3.5Lエンジンを搭載していたが、グリフィス500には5.0LのV8が搭載されている。ブラックプールのエンジニアは最高出力344ps、最大トルク48.3kg-mだと胸を張ったが、かなりのサバ読み。

多く見ても300ps、ハズレの場合は250ps辺りが実際の数字だろう。それでも細身のアクセルペダルを踏み込めば、強力なパンチ力で後ろから蹴飛ばしてくる。

十分注意深く、確かに操れる右足が必要だ。激しく加速させるとノーズが浮き上がり、軽量なクルマは加速が危うくなる。しかし、それはグリフィス500に求めることでもある。

ブレーキはシャープ。5速トランスミッションは軽快にキシっと決まり、しっかりとしたグリップ力でコーナリングする。このクルマにはアフターマーケット製の電動パワステが後付けされていて、ステアリングはとても軽い。

コーナーを抜けて、リアタイヤの状態を探りながら、直線めがけてスピードを乗せる。再びフロントタイヤへと注意を払わなくてはいけない。他にはない体験だ。低速域ではその良さがわからない。TVRは、スピードを出してこそ。

年齢を感じさせない弾丸のようなフォルム

奇妙なことに、グリフィス500は長距離ツーリングに向いていると感じる。コーナーからいとも簡単にクルマを引っ張る太いトルク。驚くほど快適で居心地の良い車内に、大きな荷室。どんなドライバーでも、サウンドを愛でながら長距離を楽しめるだろう。

だが、インテリアは神経衰弱のようにややこしい。仮にライトを点けるだけでも。無数のボダンとダイヤルが並ぶ、マシン・フィニッシュされたアルミニウム製のダッシュボード。すべてのスイッチが同じように見え、説明書きやアイコンもない。

TVRグリフィス500
TVRグリフィス500

ドアを開くレバーがどこにあるのか、事前に調べておいた方が良い。意外にも、トランスミッション・トンネルに付いているのだ。

レーシーなパーソナル製ステアリングホイールの奥には、必要なメーターが並び見やすい。タコとスピードメーターの針は、上から時計回りに回転する。

アクセルペダルに力を込めると、加速とともにダッシュボードのボタンから振動音が聞こえる。ハンドメイドであることを実感する。レザーの仕上げは高級感があり、タンのシートとダッシュボードのコントラストが美しい。

グリフィスは、TVRへ革新的な変化を与えた。未来に向けて、ズムーズなカーブを導いたといって良い。Mシリーズやウェッジシェイプのクルマからお別れし、デザイン面でも大きな前進を得た。

今見てもモダン。弾丸のようなフォルムは、同時代のクルマより年齢を感じさせない。このスタイルで2000年代に登場したとしても、多くの人は古いとは感じないだろう。

TVRグリフィス500

最高速度:259km/h
0-96km/h加速:4.2秒
燃費:9.2km/L
乾燥重量:1072kg
パワートレイン:V型8気筒4997cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:344ps/5500rpm
最大トルク:48.3kg-m/4000rpm
ギアボックス:5速マニュアル

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