【冬がおススメ?】ボクスターで行くノースコースト500 素晴らしき冒険行 後編

公開 : 2020.03.29 18:50

2015年、ノースコースト500の名が与えられたことで一気に大人気となったスコットランドを周回する約500マイルのコースですが、夏は大混雑必至な一方、冬は荒涼とした景色を味わう冒険行を楽しむことが出来ます。今回はそんな冒険の旅にボクスターTと出掛けました。

モーガン・スリーホイーラーに遭遇

嵐が依然として上空に居座るなか、ファブリック製ルーフを備えたボクスターのキャビンは快適なままだったが、激しい突風と真横に降り注ぐ雨によって、本来であればスコットランドでもっとも美しい景色を十分に楽しむことは出来なかった。

天気が悪ければ、ところどころで回り道や小休止をしながら5日以上の時間を掛けてNC500を楽しむドライバーもいるが、これほどの荒れた天候であれば足早に走り続けても惜しくはなく、ゲイロックからプールーまでの長いルートもそのまま通過している。

冬場NC500の通行量は少ないが、日が暮れるのも早い。
冬場NC500の通行量は少ないが、日が暮れるのも早い。

A835号線から離れてふたたび合流するまでの4時間で約260kmを走破していたが、そのままA835号線を進んでいればわずか30kmほどの距離だ。

その直後、モーガン・スリーホイーラーが灰色の景色のなか対向車線から姿を現したのは、まるで夢でも見ているような光景だったが、ドライバーは完全防備のウェアに身を包んでいた。

だが、サポートカーを従えていたとは言え、このモーガンはハイランドを舞台にしたさらなる冒険行に挑戦するドイツ人ジャーナリストだったのだ。

立派なフェリー乗り場を備えたアラプールは大きな町に見えるが、ここは常に荒れた海を渡ってストーノウェーへと渡る船の発着点となっている。

320kmを走行した後もボクスターの燃料タンクにはまだ半分近くのガソリンが残っており、トリップコンピューターは10.3km/Lという素晴らしい燃費を示していたが、チャンスがあればガソリンタンクを満タンにしておくべきだろう。

ノースコースト475

給油を終えてふたたびステアリングを握るまでに慌ただしく口にすることが出来たのはサンドイッチだけであり、さらに悩ましい問題にも直面している。

レーシーは見事な造形を誇るカイルスク橋を撮影することを楽しみにしているが、このあとNC500のルート通りに橋へと辿り着くには、ロッキンヴァーを過ぎたあたりからふたたび海岸線に出るということを意味しており、到着が夜になることは必至だった。

低速であれば走行中でも操作可能な点と、その開閉スピードが突然の雨には大いに役立った。2日間で20回以上も開閉を行っている。
低速であれば走行中でも操作可能な点と、その開閉スピードが突然の雨には大いに役立った。2日間で20回以上も開閉を行っている。

ショートカットを選択すれば40kmの距離と1時間を節約できそうだったが、その結果今回のルートはNC475へと短縮されることになる。

それでも、なんとか夕闇が迫る頃には橋へと辿り着き、ボクスターのレッドライトの助けを借りれば、何とかレーシーが素晴らしい景色を撮影出来そうなことが救いだった。

だが、いまや日中の光は失われ、当然のように激しい雨がふたたび襲ってきたのだ。

いまわれわれに必要なのは、次に停まるまでにかなりの距離を稼ぐということであり、キャッツアイや道路標識の無いA級路を、広がる荒野には目むくれずひたすら北上することだった。

オフシーズンのダーネスではホテルも限られており、バックパッカー向けのホステルに泊まるかどうかで少しもめた後、さらに2時間のドライブでサーソーの街を目指すことにした。

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