【日本価格/スペック/内装/サイズは?】フェラーリ・ローマ V8新型2+2クーペ、日本導入

公開 : 2020.04.02 11:00  更新 : 2021.10.11 09:31

フェラーリ・ローマが日本導入されます。エレガントな外観のV8ターボ搭載2+2クーペについて、価格、スペック、内装を解説します。

はじめに 新型車ローマとは

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)

1950〜60年代のローマで花開いた自由なライフスタイルである「ドルチェ・ヴィータ=甘い生活」をコンセプトに開発されたのがフェラーリ・ローマだ。

フロント・エンジン8気筒2+2のクーペ・ボディという、これまでフェラーリに存在しなかったレンジにあり、どのモデルとも似ていないエレガントで控えめなスタイリングが特徴だ。

フェラーリ・ローマのフロントフェイス
フェラーリ・ローマのフロントフェイス

かつてフェラーリが送り出した8気筒2+2モデルは、旧くは308GT4やモンディアル、近年ではオープン・モデルのカリフォルニア/ポルトフィーノがあるが、どれもまとまりに欠けていたといわざるを得なかった。

しかしローマのタイムレスなスタイリングは2+2とは思えぬ流麗なもので、クルマ好きから好評を得ている。フェラーリはカリフォルニア/ポルトフィーノで新たな顧客を獲得しており、優雅なデザインのローマで、これまでフェラーリを敬遠していた層の掘り起こしを狙う。

日本での標準販売価格はポルトフィーノの51万円高となる2682万円と発表された。

新型車ローマ 外観

フェラーリ・ローマのスタイリングは、これまでのフェラーリとは違ってひけらかさない優雅さをコンセプトに、社内のデザインスタジオで開発された。

エクステリア・デザインは往年のフェラーリGTを象徴するロングノーズ、ショートデッキ・スタイルを基本に、2+2モデルであることを感じさせない引き締まった姿に仕上げられている。

フェラーリ・ローマのリアセクション
フェラーリ・ローマのリアセクション

仔細に見てゆくとキャラクターラインは最小限に留められ、柔らかな曲線と面で構成。フロント・フェンダーにはクラシカルな峰を設け、リア・フェンダーまわりのボリュームある造型は250GT SWBや250GTOを想起させる。

また、デザインを乱す余計なインテークは設けず、空力性能を突き詰めて冷却効率を高めたパーフォレーション型のフロントグリル、リア・ウインドウと一体化した可動式リア・スポイラーを備える。

フルLEDのアダプティブ・ヘッドランプと長方形のツイン・テールライトは新たなフェラーリ・デザインの方向性を示すものとなっている。

新型車ローマ エアロダイナミクス

空力を突き詰めてクルマ本来の美しさから乖離した最近のスーパースポーツに対し、ローマはスタイリングを損なわずに優れた空力特性を得ている。

主となる装備がリア・ウインドウ後端に組み込まれた可動式リア・スポイラーだ。100km/h以下では格納されているが、100-300km/hの速度域ではミディアム・ドラッグとしてウイングがリア・ウインドウ面に対し135°立ち上がり最大ダウンフォースの約30%を発生する。

フェラーリ・ローマの可動式リア・スポイラー
フェラーリ・ローマの可動式リア・スポイラー

この速度域でのコーナリングとブレーキング時はウイングが150°まで起きたハイ・ドラッグモードとなり安定性を高める。ポルトフィーノに比べ250km/h時のダウンフォースは95kg増したという。

このほか高速時にフロント荷重を高めるために、アンダーパネルにボルテック・ジェネレーターを設け、流気を整えて流すことによりダウンフォースを発生させる。また、フロント・ホイール後側の流気の管理もあわせて行われる。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

関連テーマ

おすすめ記事

 

解説の人気画像