【421psの走りは?】AMG CLA 45 S試乗 新型CLAクラスのトップモデル、価格/内装も評価

公開 : 2020.04.06 10:20  更新 : 2021.12.28 00:06

新型「CLAクラス」のAMG車を試乗。CLA 45 S 4マティック+は、コントロール性に優れ、乗り心地も悪くありません。421psのクーペは「買い」なのでしょうか?

どんなクルマ?

text:Shigeo Kawashima(川島茂夫)

4ドアクーペである。全長は4.7m。パワーウェイトレシオは4.06kg/psでしかない。

スペックを追っていけば「さすがAMG」としか言いようがないのだが、実態を知ると「さすが」の掛かる部分が変わる。

メルセデスAMG CLA 45 S 4マティック+(日本仕様)。
メルセデスAMG CLA 45 S 4マティック+(日本仕様)。

「スピード・ジャンキー」のような暴力的あるいは禁欲的な高性能志向とは違うのは、走り出した瞬間に理解。ちょっと唸らされた。

CLAクラスは、A/Bクラスをベースに開発されている。メルセデスのラインナップではエントリーに位置するA/Bクラスだが、クルマ趣味の要素を高めた4ドアクーペは1クラス上。

価格もそうだが、車格設定ではCクラスの横並びと捉えてもいいだろう。

一般的に4ドアクーペは後席の居住性を犠牲にしてスポーツ&スペシャリティの趣を与えている。

CLAも例外ではない。

意外に良好 後席の実用性

新型CLAを含むメルセデス車は、スペース効率のいいプラットフォームと低全高化せずのロングキャビンスタイルのお陰で、外観の印象以上に後席の居住性は良好。

セダンやワゴンほど持て成された感はないにしても、後席乗員を蔑ろにしていない。

メルセデスAMG CLA 45 S 4マティック+の後席。
メルセデスAMG CLA 45 S 4マティック+の後席。

4名乗車でのロングドライブの機会が多くても十分に対応できる。意外と実用的である。

そこに421psの最高出力を誇る2Lターボを搭載し、4WDと組み合わせてAMG車としたのがメルセデスAMG CLA 45 S 4マティック+。

ちなみに新型Aクラス系統のAMG車には「45 S 4マティック+」の他に「35 4マティック」を設定。CLAも同様であり、走行性能面のスペックだけでなく、フロントマスクも異なっている。

縦桟の大開口ラジエターグリルはAMG車のフラッグシップとなるGT系にも似たデザインであり、AMG車でも性能面で上級に位置するモデルを示す。

どんな感じ?

駐車スペースで取り回している時の車外排気音は“ボッボッボッボッ”。「やるぞ!」と気合いを込めているかの如くなのだが、ドライバーに覚悟を迫るようなクルマでは、まったく以てないのである。

高出力狙いのエンジンでも極低負荷域で愚図るような部分はなく、極低速で発進停止の繰り返しがあまり得意でないDCT(8速型)をしても駐車場での扱いは容易。AMG車のインプレで駐車場の扱いが云々もどうかと思うが、一事が万事なのである。

クローム仕上げの4本出しエグゾースト・エンドと専用ディフューザーでスポーティさを高めている。
クローム仕上げの4本出しエグゾースト・エンドと専用ディフューザーでスポーティさを高めている。

山岳ワインディングを「らしく」走らせても、コントロールのしやすさは高性能自慢のモデルでも群を抜いている。

アクセルペダルを軽く踏み込めばゆるゆると走り出し、巡航からのチョイ増し、一瞬駆動力を掛けてすぐに加速力を抜いていく、加速即エンブレ等々と色々試しても常に滑らかに追従する。

このコントロール感が、微速前進から全開まで維持されるのだ。駆動系のバックラッシュやらスナッチングなんて粗野な要素は皆無である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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