【実力は初代の引き立て以上】VWゴルフII GTI(2代目) 英国版中古車ガイド

公開 : 2020.04.03 10:20  更新 : 2021.07.12 18:46

2代目ゴルフGTIは長年、センセーショナルな登場を飾った初代ゴルフGTIの引き立て役にまわってきました。しかし近年は、価格も上昇傾向にあるようです。元祖ホットハッチの2代目を手にする際のポイントを見てみましょう。

初代の人気の影にあった2代目GTI

text:John Evans(ジョン・エバンス)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)

 
読者の年齢にもよると思うが、ビッグバンパーのMk2 GTI 16vと聞いて、ワクワクするだろうか。まったく響かない、という人もいるだろう。

当時としては、最も速いホットハッチではなかったし、魅力的なデザインには見えなかったかもしれない。だが初代ゴルフGTIを上品にし、角を丸めた仕上がりを狙っていた。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(2代目・英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(2代目・英国仕様)

フォルクスワーゲン製のホットハッチを運転したいと思っても、新車当時はお金がなく、手にすることが叶わなかったドライバーもいるはず。もし少しの余裕があるのなら、今こそ思いを叶えるチャンスだ。

長年、2代目ゴルフは初代ゴルフの影に隠れてきた。しばらくして好機が訪れるかと思いきや、偉大な5代目ゴルフGTIが2003年に登場。同時にプジョー205 GTiの人気が先行した。

近頃は初代ゴルフGTIとプジョー205 GTiの中古車価格はうなぎのぼり。ついていけないドライバーが、2代目GTIへ目を向けるようになった。極上車の価格が高いことは確かだが、それは以前からも同様だ。

かなり走行距離が多くても、悪くないクルマが中には残っている。ほどほどの信頼性があり、ノーマルに近い過走行車なら、英国では1800ポンド(24万円)程度から見つかる。個人売買の中には、価格を500ポンド(7万円)くらい上乗せしている場合もある。

しっかりクルマを見て選びたい。多くの人はまだ価値に気付いていない。中古車が売れ残り、焦っている可能性もある。

定期的にメンテナンスを受けていれば、過走行車でも必要以上に恐れる必要はない。そのかわり、サビの進行はいかんともしがたい。

より速く、快適で、モダン

2代目ゴルフGTIが発表されたのは1984年。1.8Lの8バルブエンジンから111psを絞り出した。1985年モデルからは、油圧タペットが採用される。タペット音が冷間時にうるさいが、オイルが充分に回れば静になる。

その1年後には16バルブのGTIが登場。139psを獲得した。速く低く、高回転型で訴求力は高いが、8バルブ・モデルの方が運転はしやすい。とはいえ中古車の場合、何よりも状態を優先するべきだろう。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(2代目・英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(2代目・英国仕様)

1987年にはマイナーチェンジを受ける。フロントの三角窓がなくなり、車内のスイッチ類のレイアウトが変更となり、フロントグリルのフィンが5本になった。

ゴルフ・ファンの間では、1987年以前のゴルフはタイプ19ゴルフと呼ばれている。そうすることで、より車の価値も実感できる。

1989年になるとさらにフェイスリフトを受け、話題となったビッグバンパーが採用される。スモークレンズのフォグライトが一体となったスポイラーも追加された。オークグリーンかブラックのボディに、BBS製のアルミホイールを履いたビッグバンパーが、最も2代目ゴルフGTIっぽいと思う。

驚くなかれ、パワーステアリングが全車に標準装備となったのは1990年から。1991年になると、8バルブ・エンジンのクルマも16バルブ・エンジンと同じサスペンションと、パワーウィンドウが与えられた。

何より重要なのは、整備記録とクルマの現状。初代の引き立て役にまわってきた2代目GTIだが、多くの点で初代より良くはなっている。より速く、快適で、モダン。手頃なクルマがある内に、手にしておくことをオススメしたい。

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