【日本のガソリン価格、影響は】レギュラー90円台に? NY市場で原油価格が前代未聞のマイナス

公開 : 2020.04.23 12:00

1月下旬からガソリン価格が毎週、下がり続けています。日本のガソリン価格は今後、18年前の今頃と同じレベルにまで下がる可能性が十分にあるようです。とはいえドライブを楽しむのはもう少し先のことでしょうが。

ガソリン価格 日本国内で最安は香川県

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

外出自粛で遠出をする機会もめっきり減り、ガソリンがなかなか減らない……という読者の方も少なくないだろう。

家にいるとなかなか気づきにくいが、実は1月下旬からガソリン価格が毎週、下がり続けている。資源エネルギー庁が1990年から毎週発表している全国の給油所小売価格調査によると3か月前となる1月20日からの全国平均価格は以下となる。

レギュラー(3か月でマイナス20.7円)

1月20日 151.6円
2月17日 148.5円
3月16日 143.5円
4月20日 130.9円

ハイオク(3か月でマイナス20.6円)

1月20日 162.4円
2月17日 159.4円
3月16日 154.4円
4月20日 141.8円

軽油(3か月でマイナス19.5円)

1月20日 131.7円
2月17日 128.9円
3月16日 124.2円
4月20日 112.2円

ちなみに、こちらの価格はあくまでも全国の給油所小売価格を平均したもので、実は各都道府県によってかなり違いがある。

レギュラーは120.1円(香川県)~141.2円(大分県)。ハイオクも131.1円(香川県)~152.1円(大分県)と各々20円以上の幅がある。

リアルな価格を知りたければ、全国のガソリン価格がわかるアプリもある。

例えば神奈川県の4月20日時点の平均価格(レギュラー)は128.7円だが、相模原市上溝近辺のガソリンスタンドでは3店舗とも114円となっている。

ここだけ見てもリッターあたり15円近い差がある。

NY原油価格、前代未聞のマイナスに

4月20日、アメリカNYの商業取引所で米国産標準油種(WTI)先物の価格が初の「マイナス」となった。

この日1バレル(158.987L)当たりの価格は前週末比55.90ドル安の「マイナス37.63ドル」。1983年にWTI原油先物が上場して以来、初めてマイナスで取引を終えたことになる。

理由はもちろん、新型コロナウイルスの感染拡大による需要の減少によるものだ。

原油価格がマイナスになるとはどういうことなのか?

大手石油元売り会社に聞いてみたところ……。

――原油価格がマイナスになるとはどういうことなのでしょうか?

「昨日のWTI原油先物の5月物の終値はマイナス37.6$/Bとなりました」

「これは買いポジションを残していた市場参加者が5月物の取引最終日までにポジションをクローズするために売りが必要でしたが、需要減少と高在庫により市場に買手が付かなかった結果、価格が急下落したと思われます」

「また、6月物の価格は21.1$/Bとなっており、より実需を反映しているとみられます」

わかりやすく言えば、原油を売る側が原油を買う相手に、「1バレルあたり37.63ドルを渡して原油を引き取ってもらう」ことを意味している。

世界的に(特にアメリカで)原油の需要が大幅に減少し、原油の貯蔵施設が満杯に近づいているのが理由だ。

これが他の業種なら生産調整を行って工場の稼働を停めるなどすればよいのだが、原油の世界ではそれは難しいとのこと。

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