【35は買いなのか】試乗 メルセデスAMG A 35 4マティック 「45」との違いは?

公開 : 2020.04.24 17:32  更新 : 2021.10.11 13:50

AMGのコンパクトを選ぶなら「35」か、「45」か。実車を目にすると、「35」といえども十分に厳ついのです。AMG A 35 4マティックに試乗し、どんな持ち味があるのか検証してみましょう。

AMGのホットハッチは“選べる”

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:Keisuke Maeda(前田恵介)

最近のメルセデス・ベンツはラインナップの充実に重きが置かれている。

それはAMGレンジにも及び、これまで「63」を設定したモデルに「53」「43」を加え、コンパクト系の「45」には「35」が追加されるなど、バリエーションの拡充が行われている。

メルセデスAMG A 35 4マティック。写真は限定車の「エディション1」のため235/35R19サイズのタイヤを履く。
メルセデスAMG A 35 4マティック。写真は限定車の「エディション1」のため235/35R19サイズのタイヤを履く。

AMGのコンパクトであるA 45は、2013年に176系Aクラスをベースに登場し、搭載される2L直4ターボエンジンは360ps発揮し、これまでにない超怒級のホットハッチとして人気を集めた。

Aクラスは2018年に現行のW177系に進化し、こちらでもA 45が設定されたが、昨年夏に体制が大きく変わる。

A 45に加えチューニングを高めて421psを発揮する「A 45 S 4マティック+」と、306psの「A 35 4マティック」という3モデル体制とされたのである。

日本市場にはその両端となるA 35とA 45 Sが導入されることになった。

A 35ってどんなクルマ?

新たに追加されたA 35 4マティックはどのポジションに位置するのか検証してみよう。

ボディはいずれもAクラスをベースとするが、A 45 S(A 45も含む)は全幅が50mm広がるが、A 35はベースモデルと同じ1800mm幅となる。

A 35のM260型ユニットは306psを発揮。トランスミッションは7速DCTとなる。
A 35のM260型ユニットは306psを発揮。トランスミッションは7速DCTとなる。

足回りを固めたことから車高は1410mmと10mm下げられた。

なお、A 35に搭載されるエンジンはA 45と同じ排気量だが、型式名で見ると別物となる。

A 45はハンドビルドでアッセンブルするためM139型と命名されるが、A 35では同じ排気量ながらA 250で使用されているM260型エンジンのチューニングを高めて搭載される点が異なる。

組み合わせられるギアボックスは、A 45 Sが8速AMGスピードシフトDCTとなるのに対し、A 35は7速AMGスピードシフトDCT。

このほかA 45 Sでは強化ブレーキ・システムと19インチ・ホイールが組み込まれるが、A 35のカタログ・モデルではカラード・キャリパーと18インチ・ホイールになるなど、微妙な装備差がある。

加速データで比べると……

A 35とA 45 Sをパフォーマンスで比較してみよう。

左がA 35、右はA 45 Sで、ここでは欧州発表値で記した。

エディション1に装備されるハイグロスブラックのリアウイング。
エディション1に装備されるハイグロスブラックのリアウイング。

0-100km/h加速:4.7秒/3.9秒
0-400km/h加速:13.2秒/12.1秒
0-1000m加速:24.3秒/22.1秒
最高速度:250km/h/250km/h(リミッター作動)

さすがに115ps差があるだけに動力性能はA 45 Sの後塵を拝する。

しかし、0-100km/h加速をライバルたちと比較すると、310psのゴルフRに0.1秒遅れをとるが、306psのBMW M135と290psのアウディS3には0.1秒差を付けている。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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