【意外なライバルに?】新型シボレー・コルベット(C8) 日産R32/R33/R34 GT-R中古車の影がちらつく

公開 : 2020.04.29 05:50  更新 : 2020.06.08 09:22

2019年7月に発表された8代目シボレー・コルベットC8。スーパーカーらしい姿勢になった新型コルベットに対し、R32/R33/R34 GT-Rの中古モデルが競合として有力だと筆者(桃田健史)は述べます。

新型コルベット 新車効果はこれから

text:Kenji Momota(桃田健史)

フェラーリ、いや、マクラーレン!?

まさかのリアミドシップ化という、衝撃的な進化と遂げたC8(8代目)シボレー・コルベット。

新型コルベットに対し、R32/R33/R34 GT-Rの中古モデルが競合として有力だと筆者(桃田健史)
新型コルベットに対し、R32/R33/R34 GT-Rの中古モデルが競合として有力だと筆者(桃田健史)

2019年7月にアメリカでのワールドプレミア、さらに日本では東京オートサロン2020でジャパンプレミアとなり、世界各地のシボレーディーラーには問い合わせが相次いだ。

GM本社によれば、生産開始は2019年後半とされているため、2020年に入りアメリカではデリバリーが始まっている。

2020年第1四半期(1~3月)、アメリカでのコルベット販売台数は3820台(GM調べ)である。

ただ、シボレーのウェブサイトには、C7(7代目)各モデルがラインナップされており、C8ではまだ公開されていないZR1やZ06の継続販売分も含まれると見込まれる。

加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大は、生産と物流に大きく影響しているため生産量が伸びない。

当然、日本を含めた輸出が遅れる可能性がある。

さて、C8コルベットの顧客層について、業界関係者の間からこんな声が聞こえてくる。

「C8がスポーツカーからスーパーカーに転じたことで、これまでGT-Rを意識してコルベットを購入した層は、今度どう動くのか?」

伝統的V8アメリカンスポーツカーと、日本が世界に誇るハイパワー四駆スポーツカー。

アメリカで今後、2モデルの関係性に大きな変化が生まれるのか?

コルベット対GT-R 部分的にYES

アメリカで、コルベットとGT-Rはライバルなのか?

現行モデルでいうと、「部分的にYES」である。どういう意味かは、両モデルの価格を見れば一目瞭然だ。

シボレー・コルベットZR1 2019年型(上)/日産GT-R 2019年型(下)
シボレー・コルベットZR1 2019年型(上)/日産GT-R 2019年型(下)

アメリカのMSRP(希望小売価格)で見ると、GT-R(R35)は11万3540ドル(約1215万円)。

一方、C8のベースモデルは5万8900ドル(603万円)と倍近い開きがある。

C7は、ベースモデルが5万5900ドル(約598万円)、グランドスポーツが6万5900ドル(約705万円)、Z06が8万900ドル(約866万円)、そしてZR1が12万3000ドル(約1316万円)という値付けた。

つまり、GT-RはZR1と同格なのだ。

近年中に登場するであろう、C8のZR1も、ベースモデルでC7とC8の価格を見れば、12万ドル台で登場する可能性が高い。

2007年に現行GT-R(R35)が登場した時の価格は7~8万ドル級(日本では777万円)。これならC7グランスポーツ並で、アメリカでも日本と同様に、一般的なサラリーマンがちょっと頑張れば、なんとか手が届く感じだった。

それが、一気に12万ドル台となると、ちょっと気が引ける。アメリカの田舎町なら、敷地100坪の5LDK新築が建つ。

当初、アメリカ人たちが抱いた、コルベット対抗のGT-Rという図式は、R35が過去13年間で進化し高価格化したことで、崩れてしまったのだと思う。

そもそも、アメリカ人の多くは、GT-Rという存在を知らなかったのだから、しかたがない。

どういうことか?

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