【次期トヨタ86&スバルBRZ】新型、登場迫る BRZ現行は終了間近の情報 立ちはだかるハードルも

公開 : 2020.06.10 05:50  更新 : 2021.10.22 10:15

トヨタ86とスバルBRZの今後について、各メーカーの販売店ごとに、手にしている状況が異なります。しかしトヨタ&スバルは、次期型の開発を公式に認めています。次期型の予想とともに、抱える問題を考えました。

スバルBRZ終了、販売店に伝達済み

text:Yoichiro Watanabe(渡辺陽一郎)

トヨタ86とスバルBRZの今後について、いろいろな情報が飛び交っている。

そこでスバルの販売店に今後の予定を尋ねた。

次期型トヨタ86/スバルBRZ AUTOCARイメージ
次期型トヨタ86/スバルBRZ AUTOCARイメージ    AUTOCAR

「スバルBRZは注文の終了が近いです。今現在の予定では、BRZの最終契約日は2020年7月20日で、納期は8月が最後でしょう」

「ただしメーカーの上限受注台数が既に決まっております。今後受注台数が伸びると、最終契約日が6月下旬とか7月上旬に早まる可能性もあります」

「現行型BRZが終了した後の情報は、何も聞いておりません。フルモデルチェンジか、マイナーチェンジか、今後BRZが存続するかもわかりません」という。

次はトヨタの販売店で86について尋ねた。

「トヨタ86は2020年3月に、特別仕様車のGTブラックエディションを86台の限定で発売しました」

「その後、スバルがBRZの生産を終える話は報道で知りましたが、86についてはメーカーから話を聞いておりません」とコメントした。

しかしメーカーは、次期モデルの開発を既に公表していた。

トヨタとスバルは、2019年9月に新たな業務資本提携に合意したと発表した。

業務提携の内容は「両社の強みを持ち寄り、最高に気持ちの良いAWDモデルを共同開発」「トヨタ86/スバルBRZの次期モデルを共同開発」という2つであった。

現行プラットフォーム 走行性能向上

明確に公表されているから、次期86&BRZの開発が進んでいることは間違いない。

次期型の内容は不明だが、プラットフォームは現行型のタイプに改良を加えて使うだろう。

次期86&BRZのプラットフォームは現行型のタイプに改良を加えて使うと予想。
次期86&BRZのプラットフォームは現行型のタイプに改良を加えて使うと予想。    スバル

86とBRZの発売は2012年だから、今では8年を経過するが、後輪駆動のプラットフォームはこの2車種の専用だ。

前輪駆動ベースの車種なら、インプレッサ/XV/フォレスターという具合に幅広い車種で償却を進められるが、販売台数の極端に少ないスポーツカーの86とBRZでは難しい。

長期間にわたって生産を続ける。

そのためにホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2570mmで現行型と共通化され、サスペンションも前輪がストラット、後輪はダブルウイッシュボーンの4輪独立式を受け継ぐ。

ちなみに86とBRZは、水平対向エンジンを前後輪の重量配分が拮抗する位置に搭載したから、構造的に4WDは成立しない。従って駆動方式は後輪駆動の2WDのみだ。

プラットフォームが従来型と同じだから、エンジンも水平対向4気筒を搭載するが、排気量は拡大する可能性もある。

クルマの性格とエンジンルームの配置を考慮すると、ターボの装着は難しく(アフターパーツでは用意されるが)、パワーアップするなら排気量の拡大になるだろう。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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