【あぁ、もう一度会いたい……】華麗に花咲いたアメ車大型ステーションワゴン 4選

公開 : 2020.07.26 05:50

ステーションワゴンという、名称そのものを、最近あまり聞かなくなりました。原因はいうまでもなくSUVの台頭でしょう。80年代、バンやワゴンをファッションで使うトレンドを、アメ車にフォーカスして振り返ります。

最近あまり聞かないステーションワゴン

text:Kenji Momota(桃田健史)

ステーションワゴンという、名称。最近あまり聞かなくなった。

原因は、ワゴンっぽい使い勝手ができるSUVの台頭だろう。

GMシボレーの4代目「カプリス」
GMシボレーの4代目「カプリス」    shutterstock

そもそもワゴンとは商業向けが主流だ。乗用車では長年、セダンが主流であり、スポーティな2ドアクーペとの2本立て。

そこに、廉価な商用バンやワゴンもラインナップ、といった位置付けだった。

それが80年代になり、バンやワゴンをアウトドア向けの多目的車として扱うトレンドが生まれた。

商品名としては、ステーションワゴン、エステートワゴン、またドイツではコンビという呼ばれ方もした。

日米欧で、こうしたワゴンが増えていったが、日本でも多くの人が強く印象に残っているのが、GMシボレーの4代目「カプリス」ではないだろうか。

先代までの角ばったボディスタイルから一変。丸みを強調したボリューミーエクステリア。荷室とリアハッチのガラス面積が極端に大きく感じられる。

セダンとはまったく別モデルに見えるほどの強烈なインパクトがあった。

さらに、サスペンションを改良して車高を落としローダウン化すると、クーペっぽい独特な雰囲気を醸し出し、日本でも並行輸入車で人気を博した。

本来は大衆ブランドであるシボレーの中で、カプリスワゴンは異例の人気となった。

定番ワゴンはフォード・トーラス

80年代後半から90年代前半、筆者(桃田健史)はレース活動などで全米各地を巡っていた。

飛行機で移動し、空港からはレンタカーという生活が長らく続いたが、その際によく利用したのが、フォード「トーラス」のワゴンだった。

フォード・トーラスのタクシー。
フォード・トーラスのタクシー。    shutterstock

トーラスは86年の初代登場以来、米C/Dセグメントの主力モデルとして、トヨタカムリホンダアコードと同等か、それ以上の販売実績を誇った。

ハーツやエイビスなど、レンタカーでもトーラスは定番商品で、筆者の記憶が正しければワゴンとセダンのレンタル料金は同じだったはずだ。

レース関連の大きな荷物の搭載が楽にできることで、事前予約でトーラスワゴンを指名することが多かった。

カプリスワゴンのような、際立った荷室の広さはないが、使い勝手がほど良く、安心感があった。92年登場の2代目トーラスワゴンは初代同様にアメリカ人からの支持を得る。

だが、丸目のフロントマスクにイメチェンした3代目が登場する90年代中盤から後半には、ワゴン系のトレンは明らかに変化していた。

当時、アメリカ各地のフォードユーザーたちがこぞって、トーラスワゴンからエクスプローラーに乗り換えたのだ。

まさかその後、SUVが市場の過半数に達するほど、アメ車トレンドが急激に変化するとは予想できなかった。

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