【詳細データテスト】メルセデス・ベンツAクラス ドライブトレインの制御は未熟 運動性能は快適性の犠牲に 静粛性は改善の余地あり

公開 : 2020.08.15 11:50

内装 ★★★★★★★★★☆

A 250eのインテリアは、そのほかのAクラスのそれとほとんど変わらない。バッテリーなどの電力システムを積んだことで、荷室フロアは低くならないものの、少なくとも開口部から分割可倒式の後席シートバックの根元まではフラット。重たい荷物を積み込む際にも、引っかかるような突起はない。また、このクラスのクルマとしては容量な容量が確保されている。

キャビンはおおむね実用的で心地よい空間だが、Aクラスに共通するいくつかの注意点もそのまま残されている。前席のスポーツシートは、ヘッドレストがシートバック一体型なので、独立調整ができない。もっとも、最近はAクラス以外にも、この手のデザインの採用例は散見されるのだが。

ベースのAクラスにみられた欠点はそのままで、ハイブリッド化で荷室容量は減少している。とはいえ、質感やテクノロジーなどの満足感は、不満を上回るものだ。
ベースのAクラスにみられた欠点はそのままで、ハイブリッド化で荷室容量は減少している。とはいえ、質感やテクノロジーなどの満足感は、不満を上回るものだ。    OLGUN KORDAL

もうひとつは、後席のオーバーサイズなドアハンドル。膝まわりのスペースを無駄に食ってしまううえに、不用意にドアを閉めると外側の膝にぶつかることもある。

しかしそれを除けば、称賛に値するインテリアだ。モダンラグジュアリーなデザインで、高い質感、かなりリッチで豪華なマテリアル、贅沢なテクノロジーの数々を備え、しかも手頃な価格で手に入る。

艶のあるブラックのプラスティックやサテンクロームのトリムが多用されることは、誰もが歓迎するものではないだろう。また、室内の低い部分のクオリティがほかの5ドアハッチバックの多くと大差ないことを指摘する声があるかもしれない。だが、多くのドライバーは上質感に感心すること請け合いだ。

A 250eのグレードはAMGライン以上のみが設定されるので、装備内容は比較的充実している。とはいえ、メーターパネルとインフォテインメントの2面に10.3インチディスプレイを設置し、発光色を調整できるアンビエントライトを装着したいならば、より上位のAMGライン・プレミアムを選ばなければならない。

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