【ISG付き直列6気筒採用】メルセデス・ベンツEクラス E450カブリオレ 小変更

公開 : 2020.08.24 10:20

穏やかな足まわりながら高い動的性能

リアに格納されているカンバス製のルーフを閉じれば、ハードトップ・クーペと比較しても、目立った欠点は感じられない。徐行程度なら走行中でも開閉可能で、完了までの時間は20秒。ルーフは、外界から車内をしっかり隔離してくれる。

0-100km/h加速に要する時間は5.2秒。E450カブリオレの動力性能に不足はない。ゆったりした雰囲気にも関わらず、機敏でたくましい。不思議の国のアリスに登場する芋虫のよう、といったら失礼だろうか。

メルセデス・ベンツEクラス E450カブリオレ(欧州仕様)
メルセデス・ベンツEクラス E450カブリオレ(欧州仕様)

ルーフを開けば、直列6気筒エンジンの放つ威勢のいいサンドを、より身近に楽しめる。アクセルペダルへ込める力具合で、ゆったりとした唸り声から、豊かな叫びへと変化する。

加速は、感心するほどにクリーミーで直線的。回転域を問わず、力強く速度を乗せていく。

変速時の振る舞いも、不満を感じるスキがないほどにエレガント。メルセデス・ベンツ製の9速ATは、滑らかに、効率的にギアを選ぶ。

ステアリングホイールに取り付けられたシフトパドルを弾けば、9速ATは喜んで応えてくれる。だが、少し操作しないでおくと、すぐにオート・モードへ戻ってしまう。

マニュアル・モードを選ぶと改善できるが、スポーティさが増すエンジン・マッピングとの相性は、良くないようだ。筆者は少し残念だったが、クルマのターゲット層や性格を考えれば、当然の味付けではある。

今回の試乗車はドイツ仕様で、エアサスペンションを搭載していた。コンフォート・モードを選ぶと、驚くほど柔軟で、優れた乗り心地に身を委ねられる。

このクルマなら6気筒エンジンを選びたい

スポーツ+モードを選べば、不足ない姿勢制御も適えてくれる。ただし、ボディのサイズや重量、ロールの大きさを隠すことはできない。ゆったりしたレシオを持つステアリングも相まって、素早くコーナーを縫って走るタイプではないと、実感させられる。

グリップレベルは高く、ステアリングの応答も正確。高速コーナリング時でも確かな重みを感じ取れる。

メルセデス・ベンツEクラス E450カブリオレ(欧州仕様)
メルセデス・ベンツEクラス E450カブリオレ(欧州仕様)

E450カブリオレは、見た目以上に振り幅が大きい。ペースを速めれば、想像以上に運転を楽しめる。ゴルフコースの帰り道でまだ元気が残っているなら、ドライビングに浸ることも可能だろう。

正式な価格は発表されていない。先代モデルを参考に考えると、おそらく英国では6万ポンド(810万円)前後になると見込まれる。一方で、BMW 8シリーズのカブリオレは8万935ポンド(1092万円)からとなっている。

追って安価な4気筒ガソリンと、ディーゼル版も登場予定ではある。だがEクラスのカブリオレに相応しいのは、この6気筒エンジンだと思う。

快適に余裕を持って走れる、4シーターのコンバーチブルを探しているのなら、メルセデス・ベンツE450はうってつけだ。

メルセデス・ベンツEクラス E450カブリオレ(欧州仕様)のスペック

価格:6万ポンド(810万円/予想)
全長:4826mm(フェイスリフト前)
全幅:1860mm(フェイスリフト前)
全高:1427mm(フェイスリフト前)
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:5.2秒
燃費:12.2km/L
CO2排出量:−
乾燥重量:2040kg
パワートレイン:直列6気筒2999ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:367ps/5500-6100rpm+22ps
最大トルク:50.9kg-m/1600-4500rpm+25.3kg-m
ギアボックス:9速オートマティック

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