【世界初公開】ロールス・ロイス新型ゴースト スペック/内装/サイズを解説 日本導入は?

公開 : 2020.09.01 21:02  更新 : 2021.10.11 09:34

英ロールス・ロイスが、「新型ゴースト」を世界初公開しました。2代目に進化したベビー・ロールスのスペック/ボディサイズを解説します。超高級なインテリア空間など、実車の写真でご紹介しましょう。

はじめに 新型ゴーストとは

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:ROLLS-ROYCE MOTOR CARS

ロールス・ロイスが創業から116年の間に送り出したモデルの中で、最も成功を収めたのが2009年に登場したゴーストである。

ロールス・ロイス・モーターカーズの本拠地で生産されたことを意味するグッドウッド・ゴーストと呼ばれ、このたび2代目に進化した。

新型ロールス・ロイス・ゴースト
新型ロールス・ロイス・ゴースト

ベビー・ロールスとも称されるゴーストは、フラッグシップのファントムより一回りコンパクトながらも、その仕立てはロールス・ロイスそのもの。ショーファー・ドリブンで使用するだけではなく、ドライバーズカーという方向性を強めている。

新型ゴーストが目指したのは「快適で鮮やかなドライビング」。シンプルさと洗練性を追求すると共に、乗る者に落ち着きと寛ぎを感じさせる静粛性の追求だった。

スタイリングは全面的に刷新された。ボディ構造は先代のスティール製モノコックから、アルミ・スペース・フレームを新たに採用し、ボディパネルは全てアルミとされている。

なお、欧州仕様値の3サイズは、全長5546mm(+89mm)、全幅1978mm(+30mm)、全高1571mm(+21mm)と若干大きくなったが、ホールベースは3295mmで変わりない。

新型ゴースト 外観

新型ゴーストのデザイン・コンセプトは「ポスト・オピュレンス (脱贅沢)」が謳われる。

その言葉を物語るようにエクステリア・デザインはシンプルな面で構成される。仔細に見るとスムーズな面で構成されて若返った雰囲気を漂わす。

新型ロールス・ロイス・ゴースト
新型ロールス・ロイス・ゴースト

最も大きな変更点が伝統のパンテオン・グリルをフロントエンドに埋め込み、存在を控えめにしたことだ。

先代ではクラシック・モデルのようにエンジンフードとラジエターグリルが存在を主張していただけに、以前の顔を見慣れた目には物足りなさを感じるかもしれない。

6ライト・スタイルを踏襲するボディサイドでは、ドア下部にあった強いキャラクターラインは廃されてクリーンな面で構成されている。リアエンドもキープデザインでまとめられているが、バンパーはボディラインに溶け込んだ造形とされ軽快感を漂わす。

リアのドアは、ドレスを着たゲストが優雅に乗降できるロールス・ロイス伝統の後ろヒンジ式「コーチドア」が受け継がれ、開閉時はパワーアシストされる。

新型ゴースト 内装

大きく変化を遂げたのがインテリアだ。

乗り込んで真っ先に目にするインストゥルメントパネルは、ファントム、カリナンの流れを汲む新たなデザインだが、より洗練された造形となった。

新型ロールス・ロイス・ゴーストの前席内装
新型ロールス・ロイス・ゴーストの前席内装

液晶ディスプレイが採用され、計器部分と中央のインフォテイメントに配される。

伝統のウッド&レザーの世界は継承され、最高級の素材を用いた特別な空間は健在だ。また、助手席前には「イルミネーテッド・フェイシア」と名付けられた152個のLEDと9万個を超えるドットにより、「GHOST」の文字と850個を超える小さな星を幻想的に浮かび上がらせる。

後席は広いスペースが確保され、ショーファー・ドリブン時にも快適な空間を得ている。前席バックレスト部分は、ファントムと同様にテーブルを引き出すと専用の大型エンターテイメント・システムが現れる。

また、最高の快適性を得るために、ルーフやバルクヘッド、ドアなどボディ各所に100kg超もの吸音材を使用し、徹底した静粛性を追及。しかし完全な無音では落ち着かないため、すべてのノイズを単一の音にまとめて「ささやく」ようにする技も採用された。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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