【新型トヨタ86/スバルBRZ】生産終了はBRZが先 プラットフォームは現行と共通化 運転支援も ただし時期不明 困惑も

公開 : 2020.09.09 05:50  更新 : 2021.10.22 10:15

トヨタ86とスバルBRZ。新型のうわさが飛び交っています。生産終了時期はBRZが先で86は後になりそうです。プラットフォームは現行モデルと共通化。運転支援システムを採用するでしょう。ただし時期は不明。困惑も。

生産終了時期はBRZが先で86は後に

text:Yoichiro Watanabe(渡辺陽一郎)

スバルBRZのホームページには「生産終了に伴い、販売店での在庫対応のみとなります」と記載されている。日本国内で販売されるBRZの生産は既に終わり、在庫車も少数だから、実質的に購入できない状態になった。

一方、スバルからトヨタに供給される86は、同じ生産ラインで製造される車両ながら対応が異なる。

トヨタ86
トヨタ86    トヨタ

2020年9月上旬時点で、トヨタの販売店では「86のGRは終了しましたが、ノーマルタイプのグレードは今でも受け付けています」という。

また「9月上旬に契約をいただいた場合、納車は12月下旬頃になります。トヨタから生産終了の時期は聞いていませんが、おそらく12月下旬が最後の生産になるでしょう」という。

なぜBRZは生産を早々に終了して、86は今でも買えるのか。

スバルの販売店では「ブランドや地域によって、販売状況がそれぞれ異なる。BRZ、86ともに、最終的には生産を終えるが、その時期には違いが生じています」と述べている。

BRZと86の販売状況はどうなのか。

86はBRZの3.6倍 1店舗あたりはBRZが多い

コロナ禍の影響を受けたり、BRZが生産を終える前の2019年1〜12月の登録台数は、1か月平均にするとBRZが108台、86は386台だった。

86はBRZの3.6倍売れていたから、長く生産するのも納得できる。

またトヨタとスバルでは、国内で展開する販売店舗数が異なる。86は発売当初からトヨタの全店が扱い、4600店舗で購入できるが、BRZを売るスバルの販売店は460店舗に限られる。

つまりスバルの販売網はトヨタの10%だ。そうなると1か月平均の登録台数がBRZは108台、86が386台であれば、1店舗当たりの登録台数はむしろBRZが多い。

そしてスバルは店舗数が少ない分だけ、メーカーと販売店の連携も図りやすいため、早期の生産終了を既存のBRZユーザーに周知徹底できた事情もあるだろう。

プラットフォームは現行型と共通化

現行型のBRZと86が生産を終えた後、次期型が登場することは間違いない。

トヨタとスバルは2019年9月に「新たな業務提携に合意した」と発表して、提携の内容に「トヨタ86/スバルBRZ 次期モデル共同開発」が含まれているからだ。

新型トヨタ86/スバルBRZの予想イメージ。
新型トヨタ86/スバルBRZの予想イメージ。    AUTOCAR英国編集部

BRZと86はスポーツカーとしては好調に売れているが、ハッチバックなど、ほかのカテゴリーに比べると生産台数は少ない。

しかも水平対向エンジンに後輪駆動を組み合わせるのはBRZと86のみだ。ほかの車種と共通化できない専用設計のメカニズムも多い。

生産台数や価格の割に、1台当たりの開発コストが高まりやすい車種でもある。

そこで次期型も、プラットフォームなどは現行型と共通化する。現行型の全長:4300mm以下、全幅:1800mm以下というサイズも、運転感覚の楽しいスポーツカーを開発する上でバランスが優れている。

従ってホイールベース(前輪と後輪の間隔)の2570mmを含めて変更する必要性は乏しく、次期型も基本部分は現行型を踏襲するだろう。

その一方で改善も行う。

スバルの開発者によると「今はさまざまな知見が備わり、以前に比べると、同じプラットフォームを使いながら走行性能や乗り心地を大幅に引き上げられるようになりました」という。

詳しく見ていこう。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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