【時代を先取りしすぎた】ホンダ・エレメントとは、なんだったのか? 北米でスマッシュヒット 日本で苦戦した背景

公開 : 2020.09.11 05:50  更新 : 2021.10.13 12:20

一転、日本市場で苦戦を強いられた

北米市場では若いユーザーを中心にスマッシュヒットを記録したエレメント。しかし、日本では2003年4月に販売がスタートし、およそ2年後の2005年7月には販売を終了するという短命に終わってしまった。

考えられる要因はいくつかあるが、第一に価格が思いのほか高かったという点が挙げられる。登場時の販売価格は259万円であり、これは同時期に販売されていたCR-Vの最も高額なグレードよりも高かったのだ。

ホンダ・エレメントのスケッチ(2003年)
ホンダエレメントのスケッチ(2003年)    ホンダ

日本に導入されたのは、ほぼフル装備かつ4WDという1グレードのみで、北米で生産したものを輸入する形を取っていたため致し方ない部分もあるが、現地では約1万6000ドル~という価格から考えると、そもそもの購買層が変わってしまったということなのだろう。

また、無塗装部分の多い特徴的でポップなエクステリアも、総額で300万円近く払うと考えるとややチープな印象もあり、5ドアではなく、観音開きドアという点も使い勝手の面でマイナスに作用したのかもしれない。

しかしエレメントが日本で不振だった最大の理由は、販売するタイミングが早すぎたという点に尽きる。

なぜなら現在エレメントは中古車市場で隠れた人気車種となっており、通常では市場に流通しないような15万km超のものまで販売されているほどなのだ。

確かに現在は遊び心の溢れるクロスオーバーSUVは少なく、ブームの中でも個性を出したいというユーザーが惹かれるのもわかる。

それだけにホンダが時代を先取りしすぎた感が否めないのである。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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