【どう変わったのか?】新型スバル・レヴォーグに試乗 同じ価格帯ではトップレベルのコストパフォーマンス

公開 : 2020.09.22 11:50  更新 : 2021.10.09 23:22

新型スバル・レヴォーグの試乗記です。先代からどう変わったかをまとめ、アイサイトXの実力を調べます。またAUTOCAR読者が気になる「走り」の部分で先代からの進歩をテストしました。トップレベルのコスパと筆者。

スバルレヴォーグ 先代からの変更点

text:Shigeo Kawashima(川島茂夫)

北米市場のニーズに対応すべく車格アップと車体サイズの拡大を図ってきたレガシィ。初代からは1クラスも2クラスも上のモデルになってしまった。

そこで本来のレガシィに相当する2L級の新型車として開発されたのがレヴォーグ。つまり、黄金期のレガシィ・ツーリングワゴンの実質的な後継モデルである。

スバル・レヴォーグ
スバル・レヴォーグ    スバル

次期モデルはスポーツ性の高さを表現したスタイルやターボの採用など、従来車の基本コンセプトをそのままに継承する。

しかし、プラットフォームもパワートレインも新世代型に一新。スバルのオンロード4WD車の次世代を予感させるモデルとなった。

走行関連ハードウェアの注目点はスバル車では初採用となった電子制御サス(可変ダンパー)と完全新設計のパワートレイン、そして新型アイサイトとアイサイトX。

スバル車でサス周りの上位設定と言えばSTIチューンのビルシュタイン製ダンパーだったが、電子制御サスを最上級仕様(STIスポーツ)に採用したのは興味深い点。

また、従来は1.6Lと2Lの構成だったが、次期モデルは1.8Lの1タイプとなっている。

アイサイト関連に関しては次世代型の先行搭載だが、走行性能関連はレヴォーグらしい快適性や実用性、ファントゥドライブをまとめ上げる少数精鋭型のハードウェアラインナップと言える。

動力性能以上に変化を感じたところは

新開発パワートレインは車種設定上では従来1.6L車代替となっているが、実用域では従来2L車相応の余力、高負荷域では従来1.6L車プラスαの伸びやかさを併せ持っている。

切れ味とか迫力を楽しむタイプではなく、実用域での扱いやすさにターボらしい昂揚感をトッピングした感じだ。

スバル・レヴォーグ
スバル・レヴォーグ    スバル

がんがん踏み込んで攻め立てるような走りには向かないが、スポーツ&ツーリングを品よく纏めている。

なお、JC08モード燃費は従来の1.6L車を多少上回る程度だが、超希薄燃焼やさらなるロングストローク化により実用燃費はカタログ値以上に改善されたとのこと。

動力性能以上に変化を感じたのはフットワーク。従来車のハンドリングと言えば回頭の操舵追従最優先。前オーバーハングの重さをロールで逃がして回頭性を向上させるため、回頭と求心旋回力(横G)のタイムラグが大きく、また直進時も鼻先の動きの収まりが今ひとつだった。

それがスバル車特有のファントゥドライブでもあったが、次期モデルでは旋回力の応答遅れもロール収束も改善された。

とくにSTIスポーツのスポーツ+モード(サス制御スポーツ)は回頭と旋回力の一致感のある好ましい操縦特性となった。

このストローク制御の変化は乗り心地にも好影響し、スムーズな動き出しと腰の据わった収束性で落ち着きある乗り味をもたらしていた。

記事に関わった人々

  • 川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。

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