【世界初の量産V6を搭載】ランチア・アウレリアとフラミニア 評価のわかれたクーペ 後編

公開 : 2020.10.24 16:50  更新 : 2020.12.08 08:41

滑らかなトルクと反応の良いパワー感

2台ともにハンサムで、お皿のようにメーターが大きい。ペダルはフロアヒンジ。ダッシュボードのスイッチ類は高級感があるものの、ランダムに選ばれたようにも見える。

新車当時でも決して速いクルマではなかったが、アウレリアの排気音が、深く滑らかに響く。シフトレバーは、金属的な精度の高さを匂わせる。V6エンジンの即時的なピックアップが、気持ちをそそる。

ランチア・アウレリアB20 GT S6(1957年〜1958年)
ランチア・アウレリアB20 GT S6(1957年〜1958年)

フラミリア・クーペも感触は似ているが、全体的にリモート感があり一体感は薄い。生々しい雰囲気が、微妙に薄められている。

車重はアウレリアより200kg重い。エンジンは滑らかだから、車内からは落ち着いて感じられる。タペットノイズはやや大きい。2速や3速で回転数を引っ張れば、同等の中間加速は得られるだろう。

どちらも、高回転域でのパワーを楽しむタイプではない。滑らかなトルクと、反応の良いパワーデリバリー、変速を味わうタイプのユニットだ。それだけに、街なかでの運転もしやすい。

アウレリアほどではないものの、フラミリアの変速フィールも素晴らしく正確。低い段数でのギアの唸りは、アウレリアのように聞こえてこない。シンクロは強化され、クイックに変速できる。

どちらのランチアも、高速で走らせてもガタツキやきしむ音はない。目に見えない部分へのコストを惜しまない改良が、洗練性となって表れている。