【走る楽しさはそのまま】フォード・フィエスタ1.0 MHEVへ試乗 1.0L 3気筒+ISG

公開 : 2020.10.29 10:20

トヨタ・ヤリスやスズキ・スイフトなどにとって欧州でのライバルになるのが、高い支持を集めるフォード・フィエスタ。マイルド・ハイブリッドを獲得し、燃費と動的性能を向上させています。一般道で英国編集部が評価しました。

1.0L 3気筒ガソリンターボに48VのISG

text:Tom Morgan(トム・モーガン
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
フォードとしての本格的な電動化は、2021年のマスタング・マッハe発売まで待つ必要があるだろう。それまでの間は、マイルド・ハイブリッドの追加で、CO2の排出量を削減する考えのようだ。

今回、プーマやフォーカスに続いて、フィエスタにもマイルド・ハイブリッド版が登場した。電圧48Vによるシステムを、1.0Lの3気筒ガソリン・ターボエンジン、エコブーストに組み合わせている。

フォード・フィエスタ1.0 MHEV STライン X(英国仕様)
フォード・フィエスタ1.0 MHEV STライン X(英国仕様)

フォードとしてはおなじみの内容。ベルト駆動のスターター・ジェネレーター(ISG)と小さなリチウムイオン・バッテリーで、エンジンにトルクを加算する。バッテリーは、減速時の回生エネルギーで充電される仕組み。

ターボラグは少なくなり、加速感は向上。24km/h以下での惰性走行時には、エンジンの停止も許している。

ターボチャージャーは大型化され、わずかにエンジンの圧縮比が下げられた。これらにより、マイルド・ハイブリッド版ではないフィエスタと比較し、5%の燃費向上が得られたという。

バッテリーは小型で、重量増は気にせずに済む範囲。動的性能にも大きな違いはない。0-100km/h加速時間は9.4秒。最高速度は202km/hと充分活発だ。

停止から100km/hまでの加速が9秒を切る、155ps版も用意される。トランスミッションは6速MTのみで、ATは選べない。

ISGの存在は気づきにくいほどスムーズ

フィエスタは、2020年度モデルとしてマイナーチェンジを受けている。駐車時などバックで進む際に、左右からのクルマを検知するクロストラフィック・アラート機能には、自動ブレーキが追加。STラインには、アクティブ・パークアシスト機能も備わる。

オプションのバング&オルフセン製サウンドシステムは、サブウーハーの位置を変更。荷室容量が削られることがなくなった。

フォード・フィエスタ1.0 MHEV STライン X(英国仕様)
フォード・フィエスタ1.0 MHEV STライン X(英国仕様)

マイルド・ハイブリッド版のルックスは、小さなエンブレム意外、基本的にほかのフィエスタと同じ。リアシートや荷室が狭くなることもない。従来のフィエスタと直接乗り比べしない限り、わずかな重量増に伴う乗り心地の変化にも気付かないだろう。

インテリアは、すべてをモニターに集約するミニマリズムが控えめ。エアコンなど、物理的なスイッチ類が多く残っている。むしろ、使いやすく感じる人も少なくないはず。

メーターパネルには、ISGの動きを示すアイコンが追加されている。エネルギーの回生や、エンジンをアシストしているという事実は、アイコンの表示がなければわからないだろう。

回生ブレーキの効きは自然。スズキスイフトのマイルド・ハイブリッドと比べると、減速の強さは控えめ。徐々に速度が下がるから、惰性走行の距離は意外と長い。燃費を稼ぐ上でも、積極的に使いたいところだ。

エンジンのオートストップ・スタートも、とてもスムーズ。始動して欲しい時に、すぐに反応してくれる。

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