【楽しめるグランドツアラー】BMW 4シリーズ 420i Mスポーツ・クーペに試乗 最新G22型

公開 : 2020.11.28 10:20

新型BMW 4シリーズ・クーペのエントリーグレードとなるのが、2.0Lガソリンを搭載した420i。機敏で爽快なハンドリングで、チャレンジングな道も楽しめるグランドツアラーに仕上がっています。英国編集部が評価しました。

184psと30.4kg-mの4気筒ガソリンターボ

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
新しいBMW 4シリーズ・クーペのエントリーグレードとなるのが、420i。日本でも同様だ。デザイナーの仕事には、いろいろな意見をお持ちかとは思うけれど。

英国AUTOCARのコメント欄に目を通すと、スタイリングを気にしていない人も少なくない。ものの感じ方は、人それぞれ。BMWのデザイナー、ドマゴイ・デュケックはプレデターの夢を見ながら寝ぼけまなこでグリルを描いた、ということはないはず。

BMW 4シリーズ 420i Mスポーツ・クーペ(英国仕様)
BMW 4シリーズ 420i Mスポーツ・クーペ(英国仕様)

英国での4シリーズ・クーペの価格は、420i Mスポーツの3万9870ポンド(538万円)からスタートする。英国では一番売れる、4シリーズ・クーペになるだろう。

エンジンはB48型と呼ばれる2.0L 4気筒ガソリンターボで、184psと30.4kg-mを発揮する。420dと異なり、ISGによるマイルド・ハイブリッドは付かない。トランスミッションは8速ATのみ。伝統のフロントエンジン、リアドライブだ。

サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式で、リアがマルチリンク式。通常のダンパーに、18インチ・アルミホイールが標準となる。

今回の試乗車には、英国で展開されるMスポーツ・プロ・パッケージが付いていた。価格は2500ポンド(34万円)で、アダプティブダンパーにMスポーツ・ブレーキ、19インチのアルミホイール、ランフラットタイヤが組み合わされる。

ルーフが低く、ドアは長くて重いから、乗り降りは少ししにくい。幅の狭い駐車場に停めたときは、注意が必要だろう。

自然な運転姿勢に機敏で爽快なハンドリング

運転席に座わるとレイアウトは自然で、すぐに馴染める。見た目も素材感も、雰囲気が良い。電動シートの着座位置は充分に低く、太ももも腰回りもしっかりサポートしてくれる。

ステアリングホイールは、Mスポーツ流の肉厚なもの。その先にモニター式のデジタルメーターが配される。グラフィックは少々賑やかで、アナログメーターの方が可読性は高かったと思う。見た目は悪くない。

BMW 4シリーズ 420i Mスポーツ・クーペ(英国仕様)
BMW 4シリーズ 420i Mスポーツ・クーペ(英国仕様)

リアシートは2名分が用意されているが、平均的な身重の大人なら狭く感じるだろう。包まれ感は強く、小柄な人なら長時間でも過ごせる。プライバシーも守られそうだ。

走りは、BMWのクーペらしく素晴らしい。アダプティブダンパーを最もソフトな設定にすれば、3シリーズの通常のサスペンションより当たりが柔らかくなる。流れの速いバイパスや高速道路では、快適でありながら、しっかりボディを支えてくれる。

扁平率が低いランフラット・タイヤということもあり、低速域では落ち着きは良くなく、ロードノイズは大きめ。それでも、日常的な移動でも長距離旅行でも、躊躇せずに乗れると思う。

ステアリングのレシオは、早すぎず遅すぎず。適度に重み付けされた操舵感は、機敏で爽快なハンドリングを叶えている。確かな身のこなしは気持ちを熱くしてくれるし、特別感も高い。

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