【メルセデスSLを夢見て】キャデラック・アランテ イタリアからボディを空輸 前編

公開 : 2021.01.09 07:25

4.1L V8は最高出力172ps、最大トルク31.7kg-m

ボディデザインは、従来のキャデラック・テイストから大きな進化を遂げていた。ボンネットとハードトップ、トランクリッド以外は、当時の西ドイツ製となる二重亜鉛メッキ鋼。ピニンファリーナ社は、アルミニウム材を使用してボディパネルを生産した。

エンジンはいくつかの選択肢があったものの、アルミブロックにアイアンヘッドが組み合わされた、4.1L V型8気筒をチョイス。ハイ・テクノロジー「HT4100」と呼称の付いたユニットで、いくつかの改良が加えられている。

キャデラック・アランテ(1986〜1993年)
キャデラック・アランテ(1986〜1993年)

シーケンシャル・マルチポート燃料噴射にハイフロー・インテークポート、低抵抗ピストンを採用。冷却フィンの付いた大容量のオイルパンも特徴だ。

メルセデス・ベンツSLのように、マニュアル・トランスミッションの設定はない。出力が高められたエンジンに対応するよう、THM440式と呼ばれる4速ATを強化して組み合わせた。

2速から3速、4速へのシフトアップは、コンピューターで制御。点火時期を調整し、トルクを弱めることで変速ショックを少なくし、ATの寿命も延ばしている。

そうはいっても、最高出力172psで、最大トルクは31.7kg-m。0-100km/h加速10秒以下、最高速度201km/hを実現してはいたが、メルセデス・ベンツを脅かすほどではなかった。

キャデラックが設定したベンチマーク、560SLの約8秒と225km/hにはまったく届いていない。

この続きは後編にて。

関連テーマ