【バランスの良い長距離選手】フォルクスワーゲン・ゴルフGTDへ試乗 最大トルク40.7kg-m

公開 : 2021.01.09 10:25

8代目フォルクスワーゲン・ゴルフに、ディーゼル版のGTDが登場。GTI譲りのルックスと足回りに、柔軟な太いトルクの組み合わせで、高速での長距離移動を得意とする長距離選手に仕上がっています。英国編集部が評価しました。

2.0Lディーゼルで199psと40.7kg-m

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ディーゼルエンジン版のゴルフGTDは、パフォーマンス・ハッチバックではないとフォルクスワーゲンは表現する。「長距離選手」と呼んでほしいと考えているようだ。実際、その特性は持ち合わせているのだろうか。

8代目ゴルフGTDは、遅いわけではない。0-100km/h加速7.1秒とダッシュ力も良いし、最高速度は244km/hも出る。ちなみに7代目ゴルフGTDより、0.3秒と14km/h、性能を高めている。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTD(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTD(欧州仕様)

新しいGTDが搭載するエンジンは、EA2288エボと呼ばれる2.0L 4気筒ターボディーゼル。最高出力は199ps、最大トルクは40.7kg-mと、充分たくましい。先代より16psもパワーアップしている。

2.0Lのガソリンターボを積む、GTIの最高出力は245psで、最大トルクは37.6kg-mとなっている。英国での最大のライバルは、フォード・フォーカスSTの2.0Lディーゼル版。エコブルー・ユニットは、189psと42.6kg-mを生みだす。

トランスミッションは、GTIでは6速MTが選択できるが、GTDの場合は7速デュアルクラッチATのみ。ステアリングホイール裏のシフトパドルで、マニュアル操作も可能だ。

ディーゼルエンジンは改良を受け、尿素SCRシステム・フィルターが2か所に用意され、アドブルー液のインジェクターも2本ある。これにより、以前のGTDと比較してNOxの排出量は大幅に削減しているという。

CO2の排出量は137g/km。燃費は、WLTP値で18.2km/Lから19.2km/Lとなる。

GTI譲りのスポーティなスタイリング

ドライブモードは、エコ、コンフォート、スポーツの3種類。ドライバー好みでアクセルペダルやトランスミッション、ステアリングホイール、ダンパーの特性を変えられる、インディビジュアル・モードも用意されている。

サスペンション構成は、GTIと同じ。フロントがマクファーソンストラット式で、リアがマルチリンク式。標準より車高は15mm低い。新開発のビークル・ダイナミクス・マネージャーも搭載し、電子制御デフ(XDS+)とアダプティブ・ダンパーを統合制御する。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTD(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTD(欧州仕様)

最新のゴルフGTDのスタイリングは、PHEVのGTE同様に、最新のゴルフGTIに与えられたデザイン要素を引用。スポーティな要素は控えめだが、充分な差別化は得ているだろう。ホイールサイズは17インチから19インチまで選択可能だ。

インテリアは、大きなモニターが主役の現代的な雰囲気。ステアリングホイールのスポーク部分にはタッチセンサーが付き、メーターパネルも10.3インチのモニター式となる。

ダッシュボード上部には光沢感の強いプラスティックが用いられていて、視界に入らない部分にも、上質とはいいにくい素材が採用されている。しかし一部のライバルには見られない、優れた組み立て品質は得ている。

メーター用モニターの表示は、鮮明で見やすい。インフォテインメント・システムは、メニュー構造が深い印象ながら、操作はしやすい。

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