【W123型 230 TE】メルセデス・ベンツ初のステーションワゴン 英国導入を決めた男 前編

公開 : 2021.01.31 07:25

右ハンドル車のテスト走行でドイツへ

販売が多く見込めるクルマは、自動的に右ハンドル車の設定が決まる。「ロングホイールベース版のエアポート・タクシーなど、少量生産モデルは、英国でも必要か問われます。香港など右ハンドル市場全体で充分な需要があれば、生産が決まります」

「通常は左ハンドル車より、半年遅れくらい。W126のSECクーペは、何らかの理由で左ハンドル車と右ハンドル車が、同じタイミングで売られました。例外的に」

メルセデス・ベンツ230 TE(W123型/1980〜1986年)
メルセデス・ベンツ230 TE(W123型/1980〜1986年)

アッシュマンは、右ハンドル車のプロトタイプが仕上がると、シュトゥットガルトへ定期的に招かれた。「ほかの人より速く運転できる技術を認めてもらい、本社の技術者が意見を求めてきました。テストドライバーより、右ハンドル車に慣れてもいましたから」

左ハンドル車前提のモデルを右ハンドル車へ作り変えることは、当時のメルセデス・ベンツにとっても簡単な仕事ではなかったようだ。「ひどかったのはW124型。フットペダルのサイドブレーキを備えた、初めての右ハンドル車になりました」

「センターコンソールやダッシュボードへ、レバーを備える余地はありませんでした。トランスミッション・トンネルや排気系統が、完全に左ハンドル車前提で設計されており、空間的にハンドブレーキの機構を載せられなかったんです」

とはいえ1980年代初頭までは、W123のステーションワゴンは好調に売れ続けた。アッシュマンがW123にワゴンボディのTが追加されると聞いたのは、1970年代の半ば。ブレーメンの工場での生産が決まっていた。

この続きは後編にて。

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