【悩ましい】新型メルセデス・ベンツSクラス ちらつくEクラス、魅力的な先代型

公開 : 2021.01.29 10:45  更新 : 2021.10.22 10:13

新型メルセデス・ベンツSクラス(2021年型)が日本発表。意外と近接するEクラスや、割安な先代型がちらつきます。

新型Sクラス価格 HV併用しつつ割安

text:Yoichiro Watanabe(渡辺陽一郎)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

2020年に日本で最も多く販売された海外ブランド車はメルセデス・ベンツであった。

5万6999台を登録しており、2位のフォルクスワーゲン(3万6574台)、3位のBMW(3万5712台)に大差を付けた。

メルセデス・ベンツSクラスが2021年1月28日にフルモデルチェンジを受けた。8年ぶりの刷新。
メルセデス・ベンツSクラスが2021年1月28日にフルモデルチェンジを受けた。8年ぶりの刷新。

メルセデス・ベンツは高級車の代表的なブランドで認知度も高い。

そのメルセデス・ベンツの中で、最も登録台数の多い車種はコンパクトなAクラスだ。2020年には1万673台を登録したが、高級車ブランドのイメージリーダーとしては、Lサイズのボディを備えるSクラスが筆頭に挙がる。

このSクラスが2021年1月28日にフルモデルチェンジを受けた。8年ぶりの刷新だ。

ボディは全長が5180mmの標準タイプと、5290mmとなる「ロング」の2種類がある。全幅は1920mmに達するから、標準タイプでも車内は十分に広い。

グレードは標準タイプ、ロングともに、直列6気筒3Lのガソリンターボとクリーンディーゼルターボを用意する。駆動方式はすべて4WDだ。

機能と価格のバランスから、Sクラスで最も安価な設定となる車種はS 400 d 4マティックになる。価格は1293万円に達するが、レーダーセーフティパッケージを始めとする安全装備はフルに標準装着される。

そしてガソリンターボのS 500 4マティックは、モーター機能付き発電機によるハイブリッドシステムを搭載して価格は1375万円だ。

そうなるとディーゼルのS 400 d 4マティックは82万円安い。

S 400 d の燃料代 2Lガソリン程度

WLTCモード燃費は、S 400 d 4マティックは14.3km/Lだから、全長が5mを軽く超えるLサイズセダンでは良好だ。

軽油の価格がガソリンに比べて約20円/L安いこともあり、燃料代は2Lのガソリンエンジンを搭載する国産のミドルサイズセダンと同等に収まる。

運転支援機能 Sクラスに見られる工夫

関心の高い運転支援機能のアクティブディスタンスアシスト、車線変更も支援するアクティブレーンチェンジングアシストは従来型にも採用されていたが、新型では精度を高めた。

センサーも各種のレーダー、360°カメラ、駐車時の支援に使われる超音波などを豊富に装着する。

メルセデス・ベンツSクラス(2021年)の内装。
メルセデス・ベンツSクラス(2021年)の内装。

日本メーカーの開発者は「センサーを数多く装着すると価格が大幅に高まるから、なるべく数を抑えたいです」と述べる。

新型Sクラスは前後左右をセンサーでカバーした。

衝突被害軽減ブレーキを作動できる安全装備も進化した。アクティブブレーキアシストは、交差点の右左折において、歩行者や自転車と衝突する危険が生じた時でも衝突被害軽減ブレーキが作動する。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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