【詳細データテスト】マクラーレンGT 融通の効くパワートレイン 鋭いハンドリング 遮音性が最大の弱点

公開 : 2021.02.06 20:25

マクラーレンGTは、ミドシップながらゴルフバッグも積めるスペースを備え、しかもフロントエンジンでは望めないハンドリングの持ち主。残念だったのは、その広い荷室が、不快な騒音の増幅装置となっていたことです。

はじめに

今週テストするマクラーレンGTの発売は2019年10月のことだ。ウォーキング本社の面々にとっては、それから長い時間が経ったと思えるに違いない。

債権者との法廷闘争から本社売却まで、資金調達のためにマクラーレンは思い切った手を打つ必要に迫られ続けてきた。それというのも、昨年は新型コロナ禍での生産停止にとどまらず、マクラーレングループ全体でビジネスの多くが滞ったからだ。

テスト車:マクラーレンGT
テスト車:マクラーレンGT    OLGUN KORDAL

新たなカテゴリーのモデルを投入したときは、これまでと違う役割を果たしてくれることを想像しただろう。今となっては、そのころの拡大志向を思い出すのも難しいはずだ。

そうはいっても、思い出せることはある。マクラーレンの量産モデルの歴史は短いが、その中でこのクルマは、もっとも実用的で、空力的もっとも優れ、ある意味でもっとも革新的なモデルだという触れ込みで登場したのである。それが本当かどうかは、今回のロードテストではっきりするはずだ。

このクルマのデザインコンセプトは、200万ポンド(約2.8億円)の限定車であるスピードテールほど強烈に自由な発想ではない。それでも、アルティメットシリーズに着想を得て、その影響を受けているとマクラーレンは説明する。

基本的なことをいえば、カーボンファイバーのタブとV8ツインターボを擁するミドシップで、その点では現在のマクラーレン各社と共通する。しかし、720S600LT、セナといったモデルとは狙いも優先事項も異なるクルマだ。主な構成要素は同じだが、その組み合わせは大きく違っている。

もちろん、マクラーレンがGTカーをラインナップするのはこれがはじめてというわけではない。それだけに、GTを名乗るだけの大きな差を提示できているのか、また、その点でほかのモデルより優秀なところを示せるのか、そのあたりを検証していこう。

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