【ガルウイングの2台】デロリアンDMC-12とブリックリンSV-1 理想と現実のギャップ 後編

公開 : 2021.02.27 17:45

夢に描いた理想と現実のギャップ

デロリアンDMC-12は、間違いなくスタート時点では好調だった。初期の注文は活発に入り、プロジェクトが軌道に乗りかけた時期もあった。

しかし経済の減速とパフォーマンスの悪さ、信頼性の低さに加え、資金提供していた政府の対応がデロリアンの足を引っ張った。1982年にダンマリーの工場が閉鎖されるまでに、8583台がラインオフしている。だが、需要が供給を超えることはなかった。

デロリアンDMC-12(1981〜1982年)
デロリアンDMC-12(1981〜1982年)

ブリックリンも悪くなかったが、デロリアンより先に同じ問題に直面した。失業していた林業関係者や鉱山労働者は、先進的なスポーツカー工場の従業員として適任ではなかった。生産は遅れコストは上昇し、品質は低下。ブリックリンSV-1の価格は、2年間で2倍に膨れてしまった。

カナダ、ニュー・ブランズウィックの政府が事業に見切りを付けたのは1976年。工場を出発できたSV-1は、3000台に満たない。

ダンマリーとニュー・ブランズウィックの人々に、安定した仕事と明るい将来を提供するという希望も、実現しなかった。両車にも、理想の姿には届かないという悲しい現実があった。

しかし、デロリアンDMC-12は特に、男の子を夢中にさせてきたことは間違いない。ブリックリンSV-1も、実際は噂ほどひどい仕上がりでもない。

継続的な投資があり、自動車メーカーとして努力を続けていれば、成功を掴むことはできたかもしれない。未来を夢見て作られたクルマも、今ではすっかり過去のもの。理想と現実とのギャップは、少々大きかったようだ。

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