【e-2008と基礎を共有】ヴォグゾール(オペル)・モッカeへ試乗 新型 航続距離323km

公開 : 2021.02.24 08:25  更新 : 2021.05.18 16:18

大胆にモデルチェンジを果たしたクロスオーバーのモッカ。プジョーe-2008と基礎を共有する純EV版を、英国編集部が評価しました。

プジョーe-2008と同じパワートレイン

text:Tom Morgan(トム・モーガン
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
順調に電動化技術の搭載を進めるオペルの英国ブランド、ヴォグゾール。2021年の終わりまでに、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)と純EVを合わせて、9モデルを展開する予定にある。

すでにコンパクト・ハッチバックのコルサeや、SUVのPHEV、グランドランドXなどが欧州で提供されていることは、AUTOCARの読者ならご存知かもしれない。今回試乗したモッカeは、最も台数を稼ぐであろうモデルとして重要視されている。

ヴォグゾール(オペル)・モッカe(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・モッカe(英国仕様)

コンパクト・クロスオーバーの純EVは、急速に需要を伸ばしている。従来までとは流れが違ってきてきた。

スタイリングは、従来のオペルから大きく趣が変化。大胆なコンセプトカー、GTXコンセプトに見られたデザイン要素を上手に取り込んでいる。

バイザーとオペルが呼ぶフロントグリルを採用し、英国版ではヴォグゾールのエンブレムが中央に飾られる。ヘッドライトを一体化するなどでフロントを滑らかにし、空気抵抗を表すCd値は0.32へ抑えている。先代のモッカXは、0.35あった。

フロントもリアもオーバーハングは短く、SUVらしいアクティブな見た目にまとめている。ビジュアルのアピール力でいえば、フォード・プーマに並ぶと思う。

モッカeが搭載する純EVのパワートレインは、プジョーe-2008と同じもの。135psの駆動用モーターと50kWhのリチウムイオン・バッテリーが組み合わされる。プラットフォームも同じCMPだ。

スポーツ・モードで0-100km/h加速9.2秒

モッカeでは、シングルスピードのトランスミッションを介して前輪を駆動。航続距離は323kmがうたわれる。100kWのDC充電器に対応し、最短30分で80%まで充電できるという。

活発なドライブモードを選択すれば、0-100km/h加速は9.2秒でこなす。エコ・モードを選ぶと、効率を高めるためモーターの出力は81psへ絞られてしまう。135psを発揮させるには、スポーツ・モードを選ぶ必要がある。

ヴォグゾール(オペル)・モッカe(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・モッカe(英国仕様)

スポーツ・モードではアクセル操作に対する反応も鋭くなり、ステアリングの操舵感もシャープになる。もっとも、1.2Lのガソリンターボより若干速い程度。発進直後から太いトルクが得られるが、ホイールスピンを引き起こす場面もあるようだ。

ダッシュボードの大きなモニターに表示される航続距離は、右足の動かし方へ敏感に反応する。ドライブモードを切り替える時は、バッテリーの減りが早くなることも意識した方が良いだろう。

回生ブレーキの強さを切り替えることは可能。だが強弱の差は大きく、ヒュンダイ・コナに見られるような細かな制御ではない。

ステアリングホイールの操舵感は軽く、フロントタイヤの状況は掴みにくい。しかし、プジョーe-2008のうように過度なアシスト感もない。

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