【トップクラスの洗練度】新型日産キャシュカイ 欧州発表 eパワー初導入、実用性とプレミアム感の両立

公開 : 2021.02.19 10:41

日産は小型SUVの新型キャシュカイを欧州で発表。デザインや走り、実用性を高いレベルで追求しています。

欧州コンパクトSUVのベストセラー

text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

3代目となる新型日産キャシュカイが欧州で発表された。新プラットフォーム、新デザイン、eパワーを採用するなど、コンパクトクロスオーバーとして人気の高い先代モデルから、大きく進化を遂げている。キャシュカイは以前、日本でも「デュアリス」として販売されていたモデルである。

新型キャシュカイは、ルノー・日産・三菱アライアンスのCMF-Cプラットフォームをベースに、「より目的意識の高い」スタンスと「アスレチックでダイナミック」なスタイリングを採用し、デザインを一新した。フロントエンドは新しいVグリルを採用し、ヘッドライトはスリム化され「ブーメラン」形状となっている。

新型日産キャシュカイ
新型日産キャシュカイ    日産

全長4425mm(35mm増)、全幅1838mm(32mm増)、全高1625mm(10mm増)と大型化。スポーティーで堂々としたフォルムを実現したほか、20インチアロイホイールが新たにオプション設定されるなど、高級化が図られている。

デザイナーのマット・ウィーバーによると、パワートレインがすべて電動化されたことで、スタイルにも影響があったという。効率化のため空力性能の向上が図られているほか、ボディシェルも新しい複合材とアルミパネルの採用により60kgの軽量化を実現。また、新しい溶接とスタンピング技術により剛性が41%向上し、安全性とステアリング・レスポンスが改善された。

サスペンションは、フロントにマクファーソンストラットを採用。リアは前輪駆動モデルにビームアクスル、4輪駆動モデルにはマルチリンクがおごられる。また、レスポンスを向上させた新しいパワーステアリングを採用しており、日産は「実りあるドライビング体験を提供し続ける」としている。

eパワーを欧州初導入!ワンペダルも

インテリアも同様に大幅な見直しを行い、先進のインフォテインメントや安全技術を重視しながら、「プレミアム感、個性的なデザイン、使いやすさを追求した新たなスタンダード」を目指している。

従来の7.0インチに代わり、9.0インチの高精細マルチメディアタッチスクリーンが新たに採用され、10.8インチのヘッドアップディスプレイはクラス最大と言われている。また、グーグル・アシスタントとアマゾン・アレクサの音声コントロール機能を搭載。スマートフォンアプリ「日産コネクト」でクラクション、ライト、集中ロックなどの一部機能を遠隔操作できるようになっている。

新型日産キャシュカイ
新型日産キャシュカイ    日産

ドアミラーの位置を変更してAピラーを細くし、フロントガラスの開口角を広くすることで、前方の視認性を向上させた。ホイールベースの拡大もあり、後席のレッグスペースは28mm拡大されている。リアドアは85度まで開くようになり、乗降性も向上した。また、リアサスペンションのレイアウトを変更し、荷室の床を低くしたことで、トランク容量も50L増加している。

パワートレインは2種類が用意された。ハイブリッドでは1.3Lターボエンジンと12Vシステムを組み合わせる。48Vよりも手頃な価格を実現するために選ばれた12Vシステムは、減速時にエネルギーを回収してエンジン停止時に電力を供給し、加速時には小さなトルクブーストを提供する。

1.3Lターボエンジンは138psと156psの2種類から選択可能で、6速MTまたはクロストロニックCVTと組み合わせられる。156psのエンジンは270Nmのトルクを発生し、スタンダード、エコ、スポーツ、スノー、オフロードの各ドライブモードが用意されている。4輪駆動はオプション。

また、欧州初導入となるeパワーも採用されている。「電動化へのユニークなアプローチ」と表現され、「毎日の運転をエキサイティングなものにする」ことができるという。1.5Lガソリンエンジンと145kWの電気モーターを組み合わせて190psを発生させる。日本ではおなじみだが、エンジンは駆動輪に接続されておらず、発電機としてのみ作動する。

日産は、この革新的なセットアップにより、EVの特徴である瞬間トルクと急加速を実現しながら、燃費とCO2排出量を改善することができるとしている。リーフと同様に、加速と減速をアクセルペダルのみで行える「eペダル」を搭載している点が特徴的。エンジンを切った状態では3km程度の走行が可能だという。

新型キャシュカイは、夏前に英国で発売されると予想されている。価格は未公表だが、現行モデルの2万3550ポンド(342万円)よりも若干値上がりするだろう。

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