日産キャシュカイ1.2 DIG-T 2WDテクナ

公開 : 2014.01.21 22:00  更新 : 2017.05.29 19:27

■どんなクルマ?

日産キャシュカイ(日本名:デュアリス)のローンチ当初のラインナップでは、ガソリン・エンジンが設定されたのはこのモデルだけであった。そのキャシュカイ1.2DIG-Tは、初代の1.6ℓガソリン・エンジン仕様に比べて出力がわずかに高まり、トルクは非常に大きくなっている。販売台数のおよそ42%を占める最もセールスが見込まれるエンジンとの発表も、驚くには当たらないのである。

新型は先代に比べて燃料消費率が16.1km/ℓから17.8km/ℓへ高まり、CO2排出量は144g/kmから129g/kmへと改善された。

この1.2DIG-Tには、キャシュカイの他のモデルと同じようにオルタネーター回生技術が採用されるだけでなく、マニュアル6段ギアボックス仕様についてはアイドリング・ストップ機構が標準装備される。オートマティック・ギアボックスか4WDモデルの購入希望者には、こうした装備が備わる1.6ℓディーゼル・モデルが用意されている。

2014年型日産キャシュカイのすべての2WDモデルと同じく、フロントはマクファーソン・ストラット式を、リアはツイスト・ビーム式のサスペンションを採用する。また、全車標準で搭載されるダブル・ピストン・ショックアブソーバーは、完全に再設計されたパワーステアリング・システムと共に、低周波と高周波のいずれの衝撃をものともしない乗り心地を実現している。

この2代目日産キャシュカイは先代に比べ全長が約47mm長くなり、全幅が20mm広く、全高が15mm低くなった。先代よりも魅力的なのは紛れもない事実で、たとえ7シーター・モデルが提供されなかったとても、英国での販売実績が7年間で2万5千台という評価の高い実用性はほとんど失われていない。

ラゲッジ・スペースは20ℓ増しの430ℓへと増大され、呆れるほどの種類のシート・アレンジが用意されてフロアを十分に拡大できる。それにキャビンは明らかに先代よりも質感が増しているのだ。TEKNAグレードの最上級仕様であるわれわれのテストカーは、£23,000(約400万円)という車両価格に見合った作りとなり追加オプションはほとんど必要ないのだ。

■どんな感じ?

パワートレインは洗練されていて、落ち着きのあるものになった。それでも、大ぶりのクロスオーバーに1.2ℓエンジンと聞いて、小ばかにする人がいるかもしれない。しかし先代の自然吸気1.6ℓガソリン・エンジンに取って代わるだけの価値はあるものだ。

このクルマに夢のようなパフォーマンスは期待しない方がいい。日産が言うには、時速100km/hに達するまで11.3秒を要してしまうのだが、この種のクルマには最高速度の185km/hとういう数字も、概して非現実的なものである。それでも出足から適切なパフォーマンスを感じられ、市街地を走る分には十分な力強さがある。これはトルクのピークが実用的な2000rpmに設定され、それが4000rpmまで先細りせず続くおかげである。

1.2DIG-Tのエンジンは、高速道路のクルージング走行でこそ本来の魅力を発揮する。なぜなら英国の制限速度付近で走っていても、このエンジンは非常に静かなものなのだ。風切り音とロード・ノイズがわずかに耳に入ってくるが、格上の多くのモデルよりも穏やかなものである。

追い越しを掛けるときには、パワー不足と、とりわけトルクの相対的な不足が足を引っ張る。エンジンは高回転域でも決して暴れることはないし、多くのオーナーは無理な運転をしないだろうが、十分なスピードに乗って抜き去るまでには多くの段取りと固い決意が必要となる。

キャシュカイに採用されるダブル・ピストン・ダンパーは一級品のボディ・コントロールをもたらす効果的なもので、そのうえ低周波と高周波の振動を大部分は抑え込んでしまう。

シャシー・コントロール・システムが標準搭載されるキャシュカイは、コーナリング中でも足まわりがしっかり路面を捉える。そのシステムを構成する諸機能は、走りの安定感をさらに確かなものにしている。例えばアクティブ・トレース・コントロールは内側のタイヤをブレーキ制御し、アクティブ・ライド・コントロールはクルマの上下動を乱す衝撃をモニターし、必要に応じてタイヤをブレーキで調整する。

ここに説明した以外の部分は、キャシュカイの他のグレードと全く同じである。広々としたキャビンは見た目も質感も向上し、かなり大きなトランクが備わっている。それにエントリー・グレードのVISIAを除いたモデルには、多様な装備品リストが用意されている。

■「買い」か?

それは、購入希望者がこのクルマを日頃どんな所で運転するかによって決まるのだ。新型の日産キャシュカイは、ほとんどのドライバーが重視する日常的な使い方では非の打ち所がないクルマとなり、今回テストした最小排気量エンジンのモデルは、改良によるランニング・コストの低下がセールス・ポイントだという。

日産が言うには、新型キャシュカイはライバルとなるフォルクスワーゲン・ゴルフよりも約2%から5%安いにも関わらず、価値という面では2%から5%は十分に優れているそうだ。ある幹部は、点検費用、保険料金、燃料代、それに税金面でも出費が抑えられ、リセール・バリューも高まるだろうとの見通しを述べた。

都市圏のドライバーにとっては、1.2DIG-Tは最良のモデルと考えられ、ストップ・アンド・ゴーを繰り返す交通の中でもきびきびと走ることができる。それに高速道路でのハイスピード・クルージングにはもって来いのクルマと言えよう。しかし、どんな交通環境でも常に前へ突き進みたがるドライバーや、急な坂を毎日通る人には不満が残るかもしれない。

(スチュアート・ミルン)

日産キャシュカイ1.2 DIG-T 2WDテクナ

価格 £23,145(398万円)
最高速度 183km/h
0-100km/h加速 11.3秒
燃費 17.8km/ℓ
CO2排出量 129g/km
乾燥重量 1318kg
エンジン 直列4気筒1197ccターボ
最高出力 113bhp/5000rpm
最大トルク 19.4kg-m/2000-4000rpm
ギアボックス 6速マニュアル

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