【内側は総入れ替え】ジャガーEペイス P300eへ試乗 新プラットフォーム 新エンジン

公開 : 2021.03.24 08:25

ジャガー製のコンパクトSUV、Eペイスが一新。PTAプラットフォームとPHEVを獲得し、インテリアも大幅にアップデートされました。英国編集部による試乗です。

プラットフォームもエンジンも一新

text:Piers Ward(ピアス・ワード)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
容姿にはとらわれないでほしい。一新したEペイスの見た目はほぼ変わらない。だがボディの内側は、まったく異なるクルマといえるほど新しい。

まず筆頭すべきは、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)の採用。 P300eが搭載するのは、1.5Lの3気筒ターボガソリンに、15kWhの駆動用バッテリーと電気モーターだ。

ジャガーEペイス P300e PHEV Rダイナミック S(欧州仕様)
ジャガーEペイス P300e PHEV Rダイナミック S(欧州仕様)

システム総合で最高出力309psと最大トルク54.9kg-mという、充分以上の性能を得ている。プジョー3008ハイブリッドよりはるかに力強く、メルセデス・ベンツGLA 250eに並ぶ。

P300eの車重は2173kgと軽くはないが、0-100km/h加速に要する時間は6.5秒。最高速度は215km/hに設定されている。加速力はEペイスとしては最速で、GLA 250eを上回るほど。

プラットフォームも新しい。フォード由来だったP8を捨て、ジャガー・ランドローバーが開発したPTAに置き換えられた。ランドローバー・ディスカバリー・スポーツとレンジローバー・イヴォークも採用するものだ。

このアップデートに伴い、PHEV以外のパワートレインも変更されている。エンジンの選択肢は7種類が用意され、そのうちの6種類は何らかのハイブリッドとなる。

見た目も、わずかながらリフレッシュされている。フロントバンパーは空力特性に最適化されたデザインとなり、グリル周りやLEDヘッドライトなどの形状も新しくなった。

イアン・カラムの手掛けたデザインは、2017年の発表以来まだ古びてはいないと思う。大きく手を加える必要はなかったのだろう。

ぐっとモダンになったインテリア

ドアを開いて車内を見れば、違いは一目瞭然。ダッシュボード中央に大きなタッチモニターが収まり、ピヴィ・プロと呼ばれるジャガー製のインフォテインメント・システムを獲得した。従来のシステムより表示は美しく、動作も素早い。

ホーム画面は縦に3分割され、操作性はとても優れる。ナビゲーションとバッテリーの状態、再生メディアなどの調整や選択が簡単におこなえる。アップル・カープレイとアンドロイド・オートにも標準で対応する。

ジャガーEペイス P300e PHEV Rダイナミック S(欧州仕様)
ジャガーEペイス P300e PHEV Rダイナミック S(欧州仕様)

モニターの下にはエアコン用のダイヤルが付き、ギアセレクターは四角く短い。こちらも新しいデザインだ。センターコンソールには、ドライブモードの選択スイッチもある。

ステアリングやエンジン、トランスミッションを個別に調整できるダイナミック・モードも備わる。PHEVの場合は、セーブとEV、ハイブリッドの3種から選べる、走行モードのスイッチも付いている。

車内全体の素材の質感も引き上げられた。プラスティック製パーツはサテン仕上げになり、ドアパネルもクロスが用いられ、とてもスマートなインテリアになったと思う。未来的なGLAほどではないにしろ、ぐっとモダンになった印象だ。

EVモードとして走れる距離は、スペック上では54kmと長くはないものの、実際の交通環境で運転してもそれに近い距離は走れる様子。試乗した日は気温4度と寒かったが、発車時点で51kmの航続距離が示されていた。

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