【PHEVで高めた優位性】ジャガーFペイス P400eへ試乗 4気筒インジニウム+電気モーター

公開 : 2021.03.27 08:25  更新 : 2021.07.27 14:51

Fペイス初となるプラグイン・ハイブリッド(PHEV)版へ、英国編集部が試乗。静かでパワフルな走りと秀でたハンドリングで、優位性を高めたと評価します。

クラスでの存在感を高めるPHEV

text:Piers Ward(ピアス・ワード)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ジャガーランドローバー社のCEOが掲げる、電動化技術の導入を推進する「リイマジン戦略」に注目が集まる。そんな中で、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)版ジャガーFペイスの発表は、影になりがち。

人気の高いSUVの主力モデルとして、大幅にアップデートされている。このクラスでの存在感を高めるために。

ジャガーFペイス P400e PHEV SE(欧州仕様)
ジャガーFペイス P400e PHEV SE(欧州仕様)

Fペイスはモデル全体でフェイスリフトを受けた。パワフルなSVRの試乗レポートも、先日ご紹介させていただいた。でも今回の改変で最も注目を集めるべきは、PHEVのP400eだろう。燃料代も随分違ってくる。

フロントに収まるのは、2.0Lガソリンターボのインジニウム・ユニット。そこに143psの電気モーターと17.1kWhの駆動用バッテリーが組み合わされる。EVモードでの航続距離は、最大53kmが主張される。

7kWの交流充電器を用いれば、1時間40分で満充電にできるという。CO2の排出量は49g/kmとなり、英国の現物給付税の割合は12%。ちなみにメルセデス・ベンツGLC 300eはさらに低く、1%だ。

新しいFペイスが基礎骨格とするのは、従来と同じD7aと呼ばれるプラットフォーム。ダンパーやスプリング、アンチロールバーなど、サスペンションには手が入っている。

このプラットフォームはスペアタイヤを搭載しないことが前提に設計されており、荷室床下には余分な空間がほとんどなかった。その結果、車両後方に載る駆動用バッテリーが、荷室空間を98Lも侵食している。

車内はドラマチックにリデザイン

最初にインテリアから観察していこう。ドラマチックにリデザインされ、内装素材はより高品質なものに改められ、一気に質感を高めている。大歓迎のアップデートといえる。

特に目が行くのが、緩やかに湾曲する大きなタッチモニター。ピヴィ・プロと呼ばれる最新のインフォテインメント・システムを実装する。エアコン用のコントローラーは、ダイヤル式が残されている。四角いシフトノブの形状も個性的だ。

ジャガーFペイス P400e PHEV SE(欧州仕様)
ジャガーFペイス P400e PHEV SE(欧州仕様)

素早く動作するピヴィ・プロは、ナビのほかにバッテリーとメディアを管理する縦3分割のホーム画面を備え、操作が非常にしやすい。後付け感のある一部のデザインとは異なり、エレガントにダッシュボードへ追加されていて、見た目もいい。

EVモードでスタートすると、143psの電気モーターが48km/hくらいまで鋭い加速を味わわせてくれる。それ以降、速度の上昇とともに勢いは鈍るが、ライバルモデルほどではない。車重は2tもあるから仕方ない。

仮にバッテリーが空になっても、特に鋭い加速を求めなければエンジンだけでも不満は感じられない。学校の送り迎えくらいなら、パワーもトルクも必要なだけ得られる。

積極的に走りたい時は、アクセルペダルを強く踏み込むと自動的にハイブリッド・モードへ切り替わり、2.0Lエンジンのパワーを召喚できる。シフトノブ横のセレクターで選んでもいい。

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