【20年後に振り返る魅力】ルノー・クリオ(ルーテシア)V6へ再試乗 3.0L V6をミドシップ

公開 : 2021.04.20 08:25

運転する時間が長くなるほど好きになる

自然吸気のV6エンジンを載せたコンパクトカーのフィーリングは、筆者も忘れかけていた。豊かなトルクが幅広い回転域から生み出され、刺激的なノイズが放たれる。この見た目のクルマには、完ぺきなサウンドトラックになっている。

奇妙なほどしなやかな乗り心地と、しっかり抑え込まれたロードノイズで、長距離ドライブにも驚くほど適していそうだ。7.8km/Lという燃費を受け入れられるなら。

ルノー・クリオ(ルーテシア)V6 フェイズ2(2003〜2005年)
ルノー・クリオ(ルーテシア)V6 フェイズ2(2003〜2005年)

運転する時間が長くなるほど、好きになる。弱点も味わえるようになっていく。シートに座ってクルマに刺激的なショーを見せてもらうような、現代の高性能モデルと違って、クリオV6の場合は一生懸命ドライバーが頑張らないといけない。

滑らかに走らせるには、シフトチェンジのタイミングが大切。ライン通りのリニアなコーナリングには、事前の計画と正確な操作が求められる。大幅に改良を受けた、フェイズ2のクリオV6でも変わらない。

最新モデルのテイストとは楽しみ方が違うが、これはこれで楽しさ溢れている。運転席から降りるのが悲しく感じるほどだった。

非常に優れたクルマとまではいえないが、非常に魅力的なクルマだと思う。2021年に売られている大部分の新車より、眺めていることも運転することも、はるかに楽しめる。特にフロントからリアに流れる、ボディサイドのラインが好きだ。

クリオV6のご先祖といえるミドシップのルノー5は、ラリーカーのホモロゲーション取得目的で製造された。クリオV6にはそんな要件はなかった。ワンメイク・レースが開かれた、クリオ・トロフィーとの共通性も実際は多くない。

均質化していくクルマへの可能性

ルノーが利益を上げられたのか疑問だが、恐らく少額に過ぎなかっただろう。発表から20年後にAUTOCARで取り上げられ、ブランドイメージを上げることも期待していなかったはず。

悲しい現実だが、電動化技術が一般化し均質化されていくクルマたちにあって、ルノー・クリオV6のようなモデルは希少さを増していく一方。筆者がもう一度クリオV6へ乗るのにも、今回以上に特別な理由が必要になるだろう。

ルノー・クリオ(ルーテシア)V6 フェイズ2(2003〜2005年)
ルノー・クリオ(ルーテシア)V6 フェイズ2(2003〜2005年)

クルマ好きにとっても、暮らし方の変革期が迫っている。それでも、技術を持つ人が集まって異端児のルノー・クリオV6が生み出されたように、未来にも可能性が広がっていると信じたい。

番外編:中古車でルノー・クリオV6を楽しむ

ルノー・クリオV6が搭載するエンジンは、チューニングされているものの内容は控えめ。際どいトリックも用いられていない。同様にトランスミッションも堅牢。

中古車を探す場合、まず最近までメンテナンスが施されてきたかどうかを確かめたい。挙動が不安定だから、サスペンションなどに狂いがないかも確認しておきたい。クラッシュした過去を持つ例も少なくない。

ルノー・クリオ(ルーテシア)V6 フェイズ2(2003〜2005年)
ルノー・クリオ(ルーテシア)V6 フェイズ2(2003〜2005年)

ボディに事故の損傷がないか、修復が適切かもチェックポイント。購入後に費用がかさむことにもつながる。

状態の良いクリオV6 フェイズ2なら特に、今後の値上がりも期待できる。英国へ上陸したクリオV6は、フェイズ1とフェイズ2を合わせて約600台。割合は4:6でフェイズ2の方が多いようだ。

英国で現在ナンバーを取得しているクリオV6は、133台。そのうち84台がフェイズ2となっている。とても珍しいモデルといえ、今後その価値や希少性はさらに上がる可能性はある。

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