【やり手のニューフェイス】ヒュンダイi20 Nへ試乗 フィエスタST最大のライバル 後編

公開 : 2021.04.21 19:05

Bセグメント級で鮮烈なデビュー

ブレーキを踏み込むとタイヤの回転は抑え込まれるものの、安定性は失われにくい。ステアリングで狙ったラインから、それることもない。フロントのピレリタイヤのグリップ力が、ギリギリの状態でも。

さらに突っ込むと、片輪が浮きリフトオフ・オーバーステアに陥る場面もある。全体の挙動としては、ずば抜けて機敏なフォードフィエスタSTには迫りきっておらず、バレエダンサーのように流暢な身のこなしとまではいえないだろう。

ヒュンダイi20 N(欧州仕様)
ヒュンダイi20 N(欧州仕様)

そうとはいえ、ニュートラルなi20 Nのハンドリングには充分な躍動感を感じる。エンターテイメント性は高い。シリアスなホットハッチがお好みなら、きっとヒュンダイi20 Nも好きになれるはず。

フォード・フィエスタSTとの比較テストをすれば、面白い結果が得られそうだ。能力的にも近く、価格帯も近い。

ヒュンダイi20 NがBセグメント級の小さなホットハッチとして、英国で鮮烈なデビューを飾ったことは間違いない。これまで競争を繰り広げてきたモデル群に、アジアから新しい好敵手が加わった印象だ。

シリアスな動的性能は、多くのドライバーを惹きつけるだろう。ヒュンダイi20 Nの評価は、今回の90分だけでは足りないようだ。1.6Lターボエンジンの個性は薄いものの、クルマの成り立ちには奥行きがあり、しっかり確かめたいと思わせる。

速く機敏で、ドライバーが得られる充足感も高い。ヒュンダイi20 Nが称賛を集めるクルマになることは、間違いないと感じた。

ヒュンダイi20 N(欧州仕様)のスペック

英国価格:2万4990ポンド(374万円/予想)
全長:4040mm(標準i20)
全幅:1750mm(標準i20)
全高:1450mm(標準i20)
最高速度:230km/h
0-100km/h加速:6.7秒
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:1190kg(予想)
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:203ps/5500-6000rpm
最大トルク:28.5kg-m/1750-4500rpm
ギアボックス:6速マニュア

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