【生産に影響続く】半導体不足 自動車メーカーの対応は? 一部モデルで仕様変更も

公開 : 2021.04.28 06:25

自動車製造に必要な半導体の供給が不足しています。減産や工場の一時停止など、影響は数か月に及んでいます。

在宅勤務の増加も間接的に影響

text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

半導体の不足が自動車産業やテクノロジー産業に影響を与え続けており、複数の大手自動車メーカーが生産ラインの一時的な閉鎖を余儀なくされている。

問題がなかなか解消されないのは、自動車業界に振り分けられる半導体の供給量が限られているためだ。新型コロナの影響により在宅勤務に切り替える人が増加し、パソコンやタブレットの需要が高まっているため、半導体はそうしたテック産業に回されている。その傾向はいまだに続いている。

新型コロナが直接的にも間接的にも影響を及ぼしている。
新型コロナが直接的にも間接的にも影響を及ぼしている。

多くの自動車メーカーは、生産を継続するための回避策として、部品のサプライチェーンの見直しを急いでいる。分析会社のHISマーキットは先月、この部品不足によって世界の生産台数が前年同期比で70万台近く減少する可能性があると指摘していたが、最終的にはそれ以上になる可能性もある。

各社の状況と今後の見通しはどうなっているのだろうか。

フォード

オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパによると、欧州市場向けのフォード・トランジット(バン)を製造しているトルコの工場は、予定していた夏の閉鎖を前倒しし、4月19日から6月13日まで閉鎖されるとのこと。

ドイツのザールルイにあるフォード・フォーカスの生産ラインは、2月下旬から操業を停止しており、残り約20日間の閉鎖が予定されている。また、7月31日までの間、ギャラクシー、クーガ、モンデオ、Sマックス、トランジット・コネクトなど複数のモデルが影響を受ける。

フォード・フォーカス
フォード・フォーカス

また、ドイツではフィエスタ、ルーマニアではプーマの生産ラインが閉鎖されるが、その影響は極めて軽微だ。

人気の高いピックアップトラックF-150の生産も一時停止していたが、5月3日から2週間、米国内の複数の工場で操業を停止することが決まっている。

デトロイト・ニュース(The Detroit News)紙によると、対象となる工場では、米国向けのF-150、トランジット、エクスプローラー、リンカーン・アビエーター、およびグローバル市場向けのマスタングの生産を行っている。

同紙では、製造部門の副社長であるジョン・サボナが従業員に宛てた社内メモを引用している。

「フォードの北米工場は、世界中の自動車メーカーや他の産業と同様に、世界的な半導体不足の影響を受け続けています」

「あなた方がディーラーや顧客のためにできる限りのクルマを製造している間、舞台裏のわたし達のチームは追加の部品を調達するために懸命に働いています」

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