【詳細データテスト】アウディQ4 e-トロン 洗練の走り 中庸な動力性能 物足りないプレミアム感

公開 : 2021.07.17 20:25  更新 : 2021.07.23 23:23

走り ★★★★★★★☆☆☆

中級グレードのQ4 e-トロンの走りは、いたって平凡だ。ブレイクスルーを果たすためにもっとリスクを冒してきたほかの電動車に便乗し、それらより新たにやってみせようとしたことは少なめの第2世代EV、といった印象が拭えない。

0−100km/h=8.5秒という公称タイムは、いささか控えめな数字。われわれの実測では0-97km/hが8.1秒、48-113km/hが7.8秒だった。2019年にテストした、パワーが同等のキアe-ニロは、0-97km/hが1秒ほど早かったし、48-113km/hでの差はそれ以上。同じ頃に計測したテスラモデル3スタンダードレンジプラスは、さらに速かった。

EVとしてはおとなしく、バランス重視という印象だが、実用域での加速は力強い。問題はブレーキで、摩擦ブレーキと回生ブレーキの協調制御にぎこちないところが目立つ。
EVとしてはおとなしく、バランス重視という印象だが、実用域での加速は力強い。問題はブレーキで、摩擦ブレーキと回生ブレーキの協調制御にぎこちないところが目立つ。    OLGUN KORDAL

また、このアウディは、傑出した走りよりもバランスのよさを追求したものに感じられる。驚きはないが、心地よくて安心感がある。そうした点では、おおむね成功している。それに、ライバルたちほど速くないとはいっても、エンジン車のSUVに比べれば、パフォーマンスでもレスポンスでも優位だ。しかも、あらゆる点で、ファミリーカーに求められるような、イージーでわずらわしくない操作性をみせる。

走行モードはアウディの定例通り、コンフォートからダイナミックまでの設定だが、レンジという新たなモードが加えられた。これはモーター出力と最高速度を制限し、周辺機器の電力消費も抑えて、航続距離を最大限延ばすことを目的としたものだ。

どのモードでも、踏みはじめのスロットルエスポンスは比較的穏やかで、ライバルの中にはもっと反応のいいものがある。しかし、市街地の速度域やそれ以上に入ると、ドライバビリティと速さのバランスが絶妙だ。常に規則正しく賢明な走りだが、必要とあれば法定速度の上限まで力強く加速してくれる。

エネルギー回生は、エフィシエンシーアシストと銘打たれたシステムが自動的に制御する。前方センサーやナビゲーションシステムの情報を用いて、セッティングを調整するものだ。また、シフトパドルを用いてドライバーがコントロールすることもできる。

自動セッティングの場合、ジャンクションに近づくにつれ回生ブレーキはまさしく徐々に上乗せされていくように介入してくる。最初は驚くかもしれないが、その制御はほかのEVよりやや上だ。

そうはいっても、テスター陣の間ではマニュアル調整のほうが好みだという声が大勢を占める。また、可能とあればコースティングも用いて勢いを自然に保ち、効率を高めるようなドライビングも楽しめた。

残念だったこともある。そのひとつに、ブレーキのペダル操作に対する効き具合が挙げられる。摩擦ブレーキと回生ブレーキの組み合わせ方がややぎこちなく、ソフトでスポンジーナタッチだと思っていると、次の瞬間にガツンと効いたりする。

このクルマを運転するなら、道が空いているときにでも、このブレーキに慣れておいたほうがいい。ひどい渋滞の中では、明確さが足りずムラのあるこのペダルが、フラストレーションのもとになる。

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